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秋広優人、井上広大、石川昂弥…セ・リーグ6球団「次世代主砲候補」の現在地は?

 

シーズン終盤に入ったペナントレース。優勝、クライマックスシリーズ進出に向けて厳しい戦いの日々が続くが、一方でチームの未来図を描くことも重要なことだ。例えば将来、クリーンアップに座ることを期待される若きスラッガーたち。彼らは今、どのような状況に置かれているのか。セ・リーグ6球団の「次世代主砲候補」の現在地を探る。
記録は9月10日現在

読売ジャイアンツ



 昨季セ・リーグの打点と本塁打の2冠で、今季も両部門でトップに立つ岡本和真はまだ25歳。今後5年、10年と四番を張ることになるだろう。そんな主砲に並ぶ存在へ成長することを期待されるのが、200センチ新人の秋広優人だ。高卒1年目ながら、今春キャンプ途中で一軍に抜擢。ケタ違いの飛距離を見せるなど、オープン戦終盤まで一軍でアピールを続けた。結局、開幕は二軍で迎えることとなったが、これは将来を見据えて1試合でも多く実戦を経験させたいとする球団方針。二軍では2割台前半の打率に苦しんだ跡がうかがえるものの、ここまで7本塁打と、長打力は見せている。1年目の経験を糧に、2年目以降の飛躍につなげられるか。

阪神タイガース



 ウエスタン・リーグの打点トップ「50」を叩き出た。右の大砲候補として英才教育を受けている高卒2年目の井上広大。今季も順調に成長して打率も.267で9本塁打を放ち、7月には17試合連続安打を記録するなど好調を維持していた。しかし、8月20日の試合で三塁ベースを回ったときに右足首付近を痛めた。診断の結果「右足の脛骨(けいこつ)骨折」と診断され無念の離脱。現在は復帰に向けリハビリ中だが、2年間で大きく成長しているだけに、復帰後の打撃が大いに期待できる。佐藤輝明とともに左右の大砲としての活躍も近い将来、実現しそうだ。

東京ヤクルトスワローズ



 四番・村上宗隆がまだ21歳で、次世代も村上が主砲を担うはずだが、村上以外にも主砲候補がいる。まず、今春のオープン戦で村上と並ぶ4本塁打を放った濱田太貴だ。現在は故障を抱えて二軍戦にも出場していないが、期待値は高い。本人も、「いつかムネさんの前か後ろを打ちたい」と、村上とのクリーンアップ形成を夢見ている。さらに、ルーキーの捕手・内山壮真がファームで末恐ろしい打撃を見せている。フレッシュオールスターで放った本塁打は、記憶に新しい。高卒ルーキーにして、イースタン7本塁打。4月には一軍出場も経験しているが、首脳陣がその目で確かめたくなるのも当然の打撃だ。内山が“打てる捕手”となれば、打線はさらに厚みを増す。数年後が楽しみな2人だ。

中日ドラゴンズ



 将来の四番を背負う男は決まっている。2019年秋に地元の東邦高からドラフト1位で入団した石川昂弥で異論はないだろう。チーム待望の若き和製大砲。1年目から二軍で四番に座り、早くから本人にも意識を持たせている。すでに一軍デビューは果たしているが、その素質が開花するにはまだしばらくの時間が必要だ。6月25日のウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)では左手首付近に死球を受けて途中交代。左尺骨骨折で手術を受けて全治3カ月、今季中の復活は厳しく、無理する必要もない。リハビリは順調に進んでおり、簡単な練習ができるまでには回復している。まだ20歳。多くの経験を積んで一軍に定着する日を楽しみに待ちたい。

広島東洋カープ



 広島では、今季サードの定位置を手にした林晃汰が、次世代の主砲候補として周囲にも認められつつある。チームがコロナ禍に襲われた後、5月末から先発出場するようになると、6月には月間32安打、打率.344をマークしてレギュラーに定着。9月7日から9日にかけての中日戦(マツダ広島)では球団歴代2位の8打数連続安打を記録した。9日には6試合連続本塁打を記録した鈴木誠也と並んでお立ち台。「現四番」が何度も林にお辞儀をするシーンも。冗談めかしてではあるが、力を認められていないと有り得ないことだろう。現在は下位打順だが、打撃練習の時間も鈴木誠也と並ぶ。その中で、チームの主砲としてのあるべき姿を学んでいくことになる。

横浜DeNAベイスターズ



「チームの将来を背負う主砲は誰だ?」というテーマであれば、新人・牧秀悟が筆頭に挙げられるが、牧は一時クリーンアップに座るなど、すでに主砲の1人だ。では近い将来、この牧と主軸を組むことが期待されるスラッガーは誰だろうか。5年目の細川成也、3年目の伊藤裕季也ら右の大砲が並ぶ中、期待値が高いのが2年の外野手、蝦名達夫だ。今季はケガもあり、26試合出場、打率.200と一軍に定着できていないが、ファームでは63試合で打率.304、8本塁打と好成績を残す。非凡な打撃センスにラミレス前監督も熱視線を送った逸材。きっかけ一つで大化けの可能性もありそうだ。

写真=BBM
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