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週べ60周年記念

太平洋人気に複雑な表情を見せていた西鉄関係者/週べ回顧1973年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。バックナンバーを抜粋し、紹介する連載を時々ですが、やってます。

ベンチ入り選手に5000円


好調を維持する太平洋


 今回は『1973年6月11日号』。定価は120円。
 
 ゴールデンウイーク、太平洋が日拓を平和台に迎えてのどんたくシリーズは、3試合で9万900人を動員する大盛況だった。

 平和台球場への足は西鉄大牟田線。さぞ、混雑したかと思ったが、
「そうだね。ゲーム終了後は超満員になります。昨年よりはいいが、そうだね、大した差じゃない」
 とは西鉄電車営業課。

 手放した球団の大繁盛が癪なのか応答がぎこちない。
 実際、4月は私鉄の春闘たけなわで、大平洋人気も団交で話題にはなったが、

「労組側は経営者に球団に対する経営能力欠如を言ったらしいが、労組側だっていままで赤字累積の球団を厄介者視していたことがあるんでね。つまり双方大きな口はたたけない」
 と西鉄関係者が明かした。

 球場周辺も大賑わいで、レストランでは「太平洋勝カレー」「太平洋勝ドン」が飛ぶように売れた。

 その後、5月11日の5連敗もあったが、18日からの平和台近鉄3連戦では3連勝で3位をキープしていた。

 シーズン前、選手にチケット販売のノルマを与え驚かせたが、ニンジンのほうもしっかり。ベンチ入りした一軍選手に一人あたり1日5000円の日当を渡し、球団から活躍に応じた金一封も出ていたらしい。

 南海の野村克也監督は「太平洋の連中、恐ろしいほどやる気になっとる」と話している。

 中日スタジアム社長・平岩治郎氏が5月23日水死体で発見された。自殺とみられる。ややこしい話なので後日また。

 では、また。

<次回に続く>

写真=BBM
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