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5連続コールドで決勝進出。圧倒的な強さを誇る東海大相模の主戦・庄田聡史は総合力の高い右腕

 

日本一のために宮崎から神奈川へ


東海大相模高・庄田聡史は横浜商大高との神奈川大会準決勝(9月25日)で先発し、7回3安打無失点(13奪三振)に抑え、チームの7回コールド勝利(7対0)に貢献した


 生命線は「外の真っすぐ」である。

 7対0の7回表二死一、二塁。カウント2ボール2ストライクからの6球目、東海大相模高の右腕・庄田聡史(2年)は、キレのあるアウトコースの直球で空振り。この日13個目の奪三振で、横浜商大高との準決勝を7回コールド(7対0)で締め、決勝進出を決めた。

「三振? 狙っていません。できることならば、早いカウントで打たせていきたいです。真っすぐをバンバン投げていくのではなく、変化球をうまく使っていくタイプです。投手像としては、気持ちで投げる。ダイナミックなピッチングを目指しています」

 左打者には空振りを取れるチェンジアップ、右打者にはカットボールが効果的で、このほか、カーブ、スライダー、ツーシームをバランス良く投げ分ける。すべてがカウント球、勝負球として使える総合力の高い、最速143キロ右腕である。

 中学時代に在籍した県央宮崎ボーイズでは世界少年野球大会(イタリア)で優勝。メキシコとの決勝では先発し、世界一に貢献した。今夏まで率いた門馬敬治前監督からの熱心な勧誘で「日本一を目指すために、アグレッシブベースボールの相模でやりたい」と、故郷・宮崎を離れ、神奈川で白球を追いかけている。

 10年ぶり3度目の優勝を遂げたセンバツではメンバー外。庄田は春の県大会に背番号20でベンチ入りし、三浦学苑高との4回戦で1イニングの救援登板を経験した。背番号15を着けた関東大会2回戦(対日本航空高)では4対3と勝ち越された3回途中からリリーフ。5回に追加点を奪われてしまい、チームは3対5で初戦敗退している。

 その後、右ヒジ痛により、2年夏はベンチを外れた。「チームの戦力になれなかった。春の関東での悔しさは忘れない」。同夏は新型コロナウイルスの集団感染により、県大会準々決勝を出場辞退し、春夏連覇の夢が途絶えた。

ライバルと切磋琢磨


 活動休止期間を経て、同秋の新チーム結成以降に復帰。今秋の県大会はエース番号を着ける右腕・求航太郎(2年)が本調子ではないため、四番・右翼手で出場。背番号10の庄田が2回戦から主戦として投げており、8回コールドで勝利した日大高との準々決勝、そしてこの日の準決勝を1人で投げ切った。

 庄田の同級生投手には求のほか、今大会は背番号9で五番・左翼を任されている左腕・武井京太郎(2年)、右腕・庄司裕太(2年)、左腕・南琉人(2年)らがいる。

「ふだんの練習から刺激し合いながら、ライバル視して取り組んでいます」(庄田)

 東海大相模高は2回戦から準決勝まで5戦連続コールド勝ちで、失点はわずか2。圧倒的な強さで決勝進出と、関東大会への出場を決めた。今年9月から同校を指揮するのは原俊介監督(元巨人、今夏まで東海大静岡翔洋高監督)である。庄田は決意を語る。

「この夏、取れなかった神奈川1位を取るチャンス(向上高との決勝は9月26日)。原監督も熱い気持ちを持っている。関東大会を勝ち上がることはもちろんですが、自分たちは全国制覇を目標としています。チーム一丸となって突き進んでいきたい」

 172センチ78キロ。打者への真っ向勝負が持ち味である庄田はすっかり、東海大相模高のエースの顔となっていた。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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