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オリックスとヤクルト優勝なら前代未聞!? 両リーグ前年最下位からの優勝は過去にあるのか?

 

ヤクルト・高津監督[左]、オリックス・中嶋監督


 現在、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが首位。どちらも昨季のリーグ最下位チームだが、今季は見事な巻き返しを見せている。もしこのままリーグ優勝となれば、前年最下位からのリーグ優勝となる。直近では、2015年にヤクルトが前年最下位からのリーグ優勝を果たしたが、「両リーグともに前年最下位からの優勝」は過去に何度あるのだろうか?

前年最下位からの優勝は過去5回


75年の広島は3年連続最下位から優勝を果たした


 2リーグ制となった1950年以降、「前年最下位だったチームが翌年優勝した例」は全部で5回。最初に見事な巻き返しを見せたのが1960年の大洋。前年は49勝77敗4分で「6年連続最下位」という不名誉な記録を更新していたが、この年は新しく監督に就任した名将・三原脩の手腕が冴え、初のリーグ優勝を果たした。

 1975年には広島が3年連続最下位の状況から見事にリーグ初優勝を記録した。この年はジョー・ルーツが球団初の外国人監督となったが、シーズン序盤で退団。後を継いだ古葉竹識監督が見事にチームを優勝に導いた。1975年には巨人の新監督に長嶋茂雄が就任するもまさかの最下位に終わる。しかし、翌1976年は巻き返しのために選手の大幅入れ替えを敢行。これが功を奏し、リーグ優勝を果たした。

 4度目の「前年最下位チームの優勝」が起こったのが2001年。前年最下位だった近鉄が見事な巻き返しを見せ、リーグ優勝した。優勝を決めた一打を放ったのが北川博敏。かの有名な「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打」だった。5度目は冒頭でも紹介した2015年のヤクルト。山田哲人がトリプルスリーを達成、川端慎吾が首位打者、畠山和洋が最多打点と、打撃タイトルを独占したこともインパクトが大きかった。

両リーグともに最下位から優勝となれば史上初


真中満監督の下、15年に最下位からの優勝を成して遂げているヤクルト


「前年最下位からのリーグ優勝」は、先述のように過去5度起こっている。しかし、両リーグともに最下位からのリーグ優勝という例はNPB史上一度もない。

 例えば、2015年のセ・リーグはヤクルトが前年最下位から巻き返したが、パ・リーグで前年最下位だった楽天はこの年も最下位。2001年も、セ・リーグは前年最下位だった阪神が連続で最下位に沈み、両リーグともに最下位からの巻き返しは起こっていない。1960年、1973年、1976年も同様に、一方のリーグでは前年最下位のチームは優勝できていないのだ。

 そのため、もし今季ヤクルトとオリックスがリーグ優勝を果たせば、「両リーグ前年最下位チームがリーグ優勝」というNPB史上初となる珍事が発生する。

 また、これまでに前年最下位からのリーグ優勝を「複数回達成したチーム」は0。ヤクルトが今季リーグ優勝すれば、こちらも「前年最下位からのリーグ優勝を2度達成」というNPB史上初の記録が誕生するのだ。

 2019年、2020年と2年連続でリーグ最下位だったヤクルトとオリックス。しかし、今季は目が覚めるような活躍を見せている。特にオリックスは投打で他チームを圧倒しており、リーグ優勝だけでなく、個人タイトル独占の可能性も秘めている。シーズンは残りわずか。果たして史上初となる「両リーグ前年最下位チームの優勝」が見られるのか注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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