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神宮で「四番、ファースト、清原君」。一歩ずつ前進している慶大・清原正吾

 

偉大な父の、かつての「指定席」


慶大の1年生・清原正吾は11月3日の東大戦、春から通じてフレッシュトーナメント出場4試合目[先発3試合目]にして初めて四番に入った


 186センチ90キロ。背番号25が一塁ネクストサークルから打席に向かうと、静寂に包まれる。そして、場内アナウンスされた。

「四番、ファースト、清原君」

 偉大な父、かつての「指定席」だ。両校ベンチ、そして、スタンドが固唾をのんで見守る。NPB通算525本塁打の清原和博氏(元オリックスほか)を父に持つ、慶大・清原正吾(1年・慶應義塾高)が登場すると、神宮球場全体が、自然と期待感に包まれるのだ。

 慶大・清原は11月3日のフレッシュトーナメント(2年生以下でチーム編成)のブロックB第2戦(対東大)を、一塁で先発出場。1年春から通じて4試合目(先発は3試合目)にして、初めて四番で起用された。

 第1打席は空振り三振。第2打席は四球を選び、一死満塁から小川尚人(2年・三重高)の左前2点適時打で、先制のホームを踏んだ。自身初得点である。第3打席は左飛、第4打席は右飛。第1戦(対早大)に続く安打こそ出なかったが、一塁手として初のフルイニング出場を遂げた。試合は慶大が7対0で、連盟規定により8回コールド勝利を収めている。

慶大は7対0で東大に勝利。11月4日に行われる明大との3・4位決定戦が今秋のラストゲームである


 今春のフレッシュトーナメント3試合で、ベンチ入り、代打、DHで初先発。今秋は「五番・一塁」で初先発した早大戦で遊撃内野安打。そして、この日は四番として初の先発出場と、一歩ずつ前進している。

 中学時代はバレーボール、高校時代はアメリカンフットボール部に在籍。白球に触れるのは約6年ぶりで、硬式野球は大学で初めての経験である。実戦経験を積むことが大切な時期であり、結果はその後についてくるはずだ。

 何より、自身が「フルスイング」を持ち味と語るように、積極的なプレースタイルが、相手バッテリーにプレッシャーを与える。11月4日は明大との3位・4位決定戦。試合は、練習の何倍もうまくなると言われる。今秋のラストゲーム。清原がどのようなステップを踏んでいくのか、注目の一戦である。

写真=矢野寿明
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