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【新人採点】楽天80点、日本ハム85点、オリックス75点…パ・リーグ6球団のルーキーの評価は?

 

今年は新人選手の活躍が目立ったシーズンだったが、果たして2021年のルーキーたちの評価は? パ・リーグ6球団の新人事情を100点満点で採点した。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 80点

 即戦力として入団した投手のうち、ドラフト1位・早川隆久、2位・高田孝一、4位・内間拓馬の3人は一軍のマウンドに上がったが、3位の左腕・藤井聖は経験できなかった。そして唯一、一軍で活躍したと言えるのが最速155キロ左腕の早川隆久だ。開幕先発ローテーションに組み込まれると前半だけで7勝をマーク。だが、夏場に調子を落として足踏みしたのが痛かった。何度もチャレンジしたが、目標とした2ケタ勝利には届かず。課題はまだまだ多いが貴重な先発左腕として戦力になったのも事実。新人が挙げた成果としては十分に評価できるものだった。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 60点

 選手層の厚いチーム、支配下5選手は全員高卒入団とあって、一軍出場者はゼロだったが、二軍戦にはドラフト1位の井上朋也が45試合、同2位・笹川吉康が4試合、同3位・牧原巧汰が6試合、同4位・川原田純平が17試合の出場。同5位の田上奏大は1試合に登板した。1年目の主戦場は三軍という中で、全員が上のステージを1試合でも経験できたことは大きい。特に井上は三軍戦では早くも四番を張り、二軍戦では後半戦、スタメン出場を増やして勝負強さを発揮。昨秋のドラフトから「あっという間だった」という1年を、「いいことも悪いこともたくさん経験できた」と振り返った。将来の主軸候補として、今後の成長がますます楽しみだ。そんな井上に負けじと、ほかの同期たちも切磋琢磨し、チーム力を押し上げていく。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 70点

 開幕先発ローテ入りしたドライチ左腕・鈴木昭汰は、シーズン中盤、終盤は中継ぎ起用へ。流動的な登板も調整をこなしてチームの力になった。3位の小川龍成は開幕直前に故障する不運もあって出場機会を奪えずも一軍デビューを果たし、クライマックスシリーズ前に「強化指定選手」に挙げられて練習を行うなど期待値は高い。そんな中で奮闘したのが4位の河村説人だ。開幕当初は救援起用も、先発に転向して7月7日の七夕にプロ初勝利をマーク。優勝争いのシーズン終盤も先発ローテとして安定した投球でゲームメークした。中森俊介西川僚祐の高卒新人は体づくりやファームでの実戦経験を積むことに終始。5人いずれも将来のチームの中心となる可能性は十分にある。

埼玉西武ライオンズ



西武 60点

 西武の新人で最もインパクトを与えたのは4位の若林楽人だ。序盤からトップバッターに定着し、両リーグ一番乗りで20盗塁に到達。チームに勢いを与える存在だったが、5月30日の阪神戦(メットライフ)で守備時に負傷し、左ヒザ前十字靱帯損傷で今季絶望となってしまった。6位のブランドンは一軍で3本塁打、育成5位の水上由伸は5月中旬に支配下昇格し、6月上旬に一軍へ。新人のデビューから17試合連続無失点のパ記録を作った。5位の大曲錬は最終盤に一軍登板。1位の渡部健人は4月上旬に一軍でプロ初安打初本塁打。その後は二軍暮らしが続いたが、イースタンで19本塁打、64打点で2冠に輝いた。2位の25歳、佐々木健は一軍で5試合に投げ、防御率8.31。即戦力左腕が戦力にならなかったのは大きなマイナス点だ。

オリックス・バファローズ



オリックス 75点

 1〜3位の上位指名3人は高卒新人となったが、3位の来田涼斗が前半戦終盤に一軍デビュー。高卒新人史上初となる初打席初球本塁打を放つなど存在感を示しただけでなく、吉田正尚の離脱時に一軍昇格を果たして安打や本塁打をマークして大きな経験を積んだ。ドライチ右腕・山下舜平大はファームで18試合に登板し、2位の元謙太もチームで唯一ウエスタン全111試合に出場と将来、チームの中心選手となるべく汗を流した。一方の即戦力と期待された大卒、社会人出は一軍定着とはいかなかったが、阿部翔太中川颯ら一軍出場をしており、来季に向けてステップアップの1年に。25年ぶりの優勝を遂げた今季。黄金期を築くべく、戦力の底上げも着々と進んでいる。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム伊藤大海(左は栗山英樹前監督)


日本ハム 85点

 ドラフト1位・伊藤大海は1年間先発ローテーションを守り抜き10勝をマーク、今季パ・リーグの新人では唯一の2ケタ勝利を挙げた。東京五輪でも中継ぎでフル回転し金メダル獲得に貢献。1年目の採点としては満点に近い活躍だろう。2位・五十幡亮汰は圧倒的スピードを武器に一軍でも存在感を示したが、ケガに苦しんだ。シーズン通して戦力となれるかが来季の課題となる。即戦力捕手と期待された3位・古川裕大は一軍昇格を果たせず。「執念」とフルスイングが身上の6位・今川優馬はプロ初本塁打をマークし、高卒の4位・細川凌平も最終盤に一軍昇格し、遊撃で即スタメン出場を果たすと初安打を放った。同じく高卒の5位・根本悠楓は二軍で着実に成長中。新人が期待値以上に飛躍した1年だった。

写真=BBM
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