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【一番採点】ロッテ90点、オリックス80点、ソフトバンク35点…パ・リーグ6球団「一番打者」の評価は?

 

先頭打者として打線を牽引する一番打者。チームに勢いを与える切り込み隊長は、その役割を果たしているのか。パ・リーグ6球団の一番打者を100点満点で採点した。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 90点

 36歳にして初の全試合一番スタメン出場を果たした荻野貴司。バットを短く持って右方向にも軽打を放つ巧打に加えて、5本の先頭打者本塁打を放つなど長打力も光るリードオフマンは、169安打を放って最多安打のタイトルを獲得。さらに自慢の俊足も健在で、24盗塁で盗塁王に輝くなど、バットと足で打線を活性化させた。入団以来、ケガに泣かれてきた男のシーズン完走は、リーグトップの584得点と無関係ではない。マーティンレアードと両助っ人が中軸を形成したが、彼らにつなぐ“幕張の韋駄天”がシーズンを通して機能したからこそ、スローガン『この1を、つかみ取る。』を体現できた。

オリックス・バファローズ



オリックス 80点

 開幕一軍を果たした福田周平だが、わずか5日で二軍落ち。ファームで腕を磨き、5月11日に昇格すると同日の日本ハム戦(東京ドーム)で即一番でスタメン。すると打線が活発となった。際どいコースはファウルでカット。二番・宗佑磨とともにチャンスメークするほか、下位打線が好機をつくれば適時打で打点を挙げるなど、得点力アップに大きく貢献した。登録は内野も、「どこでも守ります」と出場機会を求め今春キャンプから外野に挑戦し、中堅手のレギュラーを奪取。近年、固定できなかった「一番・中堅」を埋めたことがチームの躍進を支えた。クライマックスシリーズ、日本シリーズでも打線を機能させ、さらに来季以降も不動の存在へ。今後の活躍も大きく期待される。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 60点

 開幕から辰己涼介、シーズン途中から小深田大翔がその役割を担ったが、いずれも打撃の調子が上向かず、チームはトップバッターを固定できなかった。その点では評価は厳しいものとなる。だが、そんな中で台頭したのが大卒4年目の山崎剛だ。定位置を獲得するために外野にもチャレンジした努力家が、シーズン終盤に小深田から遊撃の定位置を奪取。出塁率.326は辰己、小深田と変わらないが、9月以降だけで4本塁打&4盗塁と、意外性のある打撃と持ち前のスピードを発揮。あとは、シーズンを通して活躍できれば一人前。来季、その真価が試されるはずだ。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 35点

 今後を見据えてリードオフマンを託した周東佑京が序盤、なかなか調子が上がらず。ケガも重なり、周東本人にとっても、チームにとっても思惑どおりに行かなかったことは、今季のチーム成績に反映されてしまったと言えるだろう。それでも中盤、三森大貴が出てきて定着。いつ昇格しても大丈夫なように二軍で粛々と準備を重ねてきた背番号68は、チャンスをしっかりと自分のものに。20試合に出場して打率.312をマークした6月は、17試合で一番を務めた。ただ、このままのペースで行ければよかったのだが、三森も一軍で、しかもスタメンで長くプレーするのは実質1年目。やはり勝負どころの終盤、疲れやプレッシャーからか力を発揮できなかったことは残念だ。また、三森に代わって一番に入った牧原大成らも穴を埋めるには至らず。それぞれが抱えた悔しさは来季、晴らすしかない。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・淺間大基


日本ハム 50点

 今季は打順を固定できず一番打者にも9人が起用された。最多起用は55試合の淺間大基だが、一番での打率.230、出塁率.280はトップバッターの数字としては物足りなさが残った。昨季までの不動のリードオフマン・西川遥輝は主に二番起用で一番では37試合に出場。打率は2割台前半と低迷したが、全打順で90四球(リーグ4位)を選び24盗塁で盗塁王、一番打者での出塁率は.365と、不振の中でもチームプレーに徹する貫禄を見せた。ほかにはルーキー・五十幡亮汰が20試合で一番を務め快足を披露。シーズン後半に再昇格した松本剛は一番スタメンで13試合に出場し打率.353、出塁率.400と好調だった。松本の一軍昇格がもう少し早ければ、チームも上昇気流に乗れたか。

埼玉西武ライオンズ



西武 40点

 2019年オフに秋山翔吾(現レッズ)がメジャー移籍でチームを去って以来、トップバッターが固定できていない。秋山在籍時の19年から辻発彦監督の構想は「一番・金子侑司」だったが、今季も開幕から不振に陥って、わずか11試合でその座剥奪される。代わりにドラフト4位・若林楽人が一番に入り、積極性のある打撃とスピードを武器にチームに勢いを与えた。しかし、5月下旬に守備の際に負傷し、左ヒザ十字靱帯損傷で今季絶望に。その後は源田壮亮岸潤一郎外崎修汰らが一番に座ったが、結局今季は11人が一番として起用される事態に。先発一番のチーム成績は打率.240、7本塁打、26盗塁、出塁率.292と物足りない数字となってしまった。真のトップバッターをつくることが、チームの大きな課題だ。

写真=BBM
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