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梶谷隆幸、西勇輝、堂林翔太…セ・リーグ6球団「今季の誤算」だった選手は?

 

シーズン143試合と長丁場のペナントレースを戦っていくと、必ず当初の目論見どおりに進まないことも出てくる。活躍が期待されながら、さまざまな要因で結果を残せなかった選手もいるだろう。セ・リーグ6球団の「今季の誤算」だった選手は?

読売ジャイアンツ



 誤算を挙げたらキリがない。エース・菅野智之がわずか6勝に終わったことももちろんだが、新戦力がまったく機能しなかったことの影響も大きかった。例えば打線強化のために迎え入れた新外国人選手では、E.テームズがデビュー戦でアキレス腱を断裂。前半戦終了まで五番を担ったJ.スモークも家族が来日できないことなどからストレスをため、後半戦開始を待たずに帰国した。途中加入のS.ハイネマンも原因不明の体調不良でわずか10試合の出場で帰国と、新外国人選手はだれ1人、シーズン終了まで残らない前代未聞の事態。FA加入の梶谷隆幸もたび重なるケガで61試合出場にとどまり、井納翔一にいたっては先発では1試合登板のみ。V逸も当然だったといえる。

阪神タイガース



 まさか借金で終わるとは思わなかった。2019年、阪神に移籍してから2年連続2ケタ勝利をマーク。特に昨季は11勝5敗という数字を残し、安定感のある投球を見せていた。誰もがエースとして今季も期待。開幕当初は3連勝を飾るなど、さすがの投球を見せていた。しかし、4月後半から7試合連続で勝つ星が付かず(2敗を含む)、6月後半から8月後半までは6連敗を喫した。いい投球を続けながら、あるイニングになると突如崩れる内容を繰り返していた。そして10月13日の巨人戦(東京ドーム)では2回に右ヒジの違和感で降板。それ以降マウンドに上がることはなかった。終わってみれば6勝9敗。来季は右ヒジを完治させ、もう一度2ケタ勝利を狙っていく。

東京ヤクルトスワローズ



 今季は故障者も多く出さず、チーム一丸となって全員が活躍してリーグ優勝に輝いた。強いて誤算を挙げるならば、左腕・長谷川宙輝の故障離脱か。昨季、ソフトバンク育成から支配下選手として移籍。150キロを超えるストレートを武器に、44試合に登板してリリーバーとして力を発揮した。昨季限りで現役を引退した五十嵐亮太の背番号53を受け継いだ今季だったが、わずか4試合の登板に終わって防御率は10.80。血行障害の手術を受け、現在はリハビリに励む毎日を送っている。リリーフ左腕はコマ不足だけに、来季以降に長谷川が復帰すれば、今季以上にブルペンは充実するはずだ。

広島東洋カープ



 広島では外国人選手の不振も痛かったが、前年と比較しての成績の低下という意味では、最も計算外だったのは堂林翔太の不調だ。昨季は8月初旬まで3割5分以上の打率、シーズン通しても打率.279、14本塁打、58打点と、「プロ11年目の覚醒」を見せた。それが今季は、打率.190で本塁打0の5打点。4月中旬から1割台の打率に終始し、一、二軍を往復。ファームでは好調なこともあったが、一軍ではそのバットが火を噴くことはほとんどなかった。10月28日に国内FA権を獲得したが、「育ててもらった球団。こんな成績でも必要だと言ってもらえた」と、11月5日に早々にFA宣言せずにチームに残留することを表明。来季は再び定位置獲得に挑んでゆく。

中日ドラゴンズ



 誤解を恐れずに言えば、野手のほとんどが誤算だらけだ。シーズンを通して働いたと言えるレギュラー陣は大島洋平ビシエド木下拓哉ぐらいだろう。平田良介京田陽太阿部寿樹と開幕スタメンを飾った面々は次々と二軍に降格。中でも期待が大きかった分、またクリーンアップを務めた分、チームにとって痛かったのは高橋周平の大不振だ。パワーアップを図って挑んだ10年目のシーズンだったが、チャンスでことごとく凡打の山を築いた。21併殺打はリーグワースト。左へ流す打球が多く、長打も少なかった。二軍降格こそなかったものの、終盤は七番も経験、スタメン落ちもあった。この秋季キャンプから打撃改造に取り組んでいるが、来季は本来の勝負強い打撃が戻ることに期待したい。

横浜DeNAベイスターズ



 ルーキーイヤーで7勝を挙げたものの、昨季は故障に悩まされ2勝止まりに終わった上茶谷大河。復活を期した今季は2ケタ勝利を目標に掲げ、並々ならぬ決意でシーズンを迎えたのだが……。開幕から波に乗れずに3連敗。4月24日の阪神戦(甲子園)では1回6失点KOで二軍行きが命じられた。ファームの試合でも結果が残せず苦しい日々。仁志敏久監督からも「打者と勝負していない」と厳しい言葉が投げかけられた。復調のきっかけはフォーム修正。場面によってはスリークオーターとサイドを使い分けるなど工夫も取り入れた。10月に再昇格すると、8日の中日戦(横浜)で7回3失点の好投を見せ今季初勝利。この勝利を浮上の足がかりにしていく。

写真=BBM
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