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中日のキーマンはA.マルティネス? 他球団007「常時出場すれば20本塁打は軽く超える」と警戒の声が

 

長距離砲として豊かな才能



 立浪和義新監督が就任した中日。5位からの浮上へ得点力アップが最大のポイントだ。今季はリーグワーストの405得点。リーグ制覇したヤクルトの625得点より200点以上も少なかった。補強も検討しなければいけないが、現有戦力の底上げが最大の急務となる。根尾昂石川昂弥岡林勇希など若手の成長株にレギュラーを脅かす活躍が期待される中、他球団のスコアラーが「打球を飛ばすコツを知っている。常時出場すれば20本塁打は軽く超えるでしょう」と打力を高く評価するのがアリエル・マルティネスだ。

 A.マルティネスは2018年3月に、背番号210の育成選手として中日に入団。同年はウエスタン・リーグで39試合出場、打率.239、0本塁打、9打点。19年は52試合出場、打率.257、2本塁打、21打点と成長の跡を見せる。野球人生の分岐点になったのが昨年だ。育成選手で再契約を結び、開幕からファームで3試合出場、9打数5安打2本塁打と打ちまくると、7月1日に支配下登録される。同月5日の巨人戦(東京ドーム)で「八番・捕手」で来日初スタメン。外国人捕手として日本球界で29年ぶりの先発マスクだった。先発投手の梅津晃大を好リードで引っ張り、自慢の打撃でも来日初安打を含む3安打。攻守でチームの白星に大きく貢献した。

 日本で培った経験が糧になっている。長距離砲として豊かな才能を秘めている一方で、変化球への対応能力が高い。引っ張りだけでなく、中堅から逆方向の右翼にも安打を打ち分けられるため、頼りになる存在だった。39試合出場で打率.295、2本塁打、13打点をマーク。打力を買われて一塁で起用されることもあり、シーズン終盤には四番で起用された。

 A.マルティネスは週刊ベースボールのインタビューで、「自分はできると信じていた。いつだってそうだ。その自信がこういう結果につながっていると思うし、今年はずっと体中に力がみなぎっているのを感じていたから」と自信を口にした上で、「キューバではキャッチャー以外もやっていたし、ダブルヘッダーのときは1試合目がキャッチャーで、2試合目はファーストをやったりしていた。言いたいことは分かるよ。何よりも大事なことはスターティングメンバーに名を連ねること。キャッチャーでなければ嫌だという気持ちはまったくない」とポジションにこだわらない姿勢を示していた。

外野で起用する方針を明言


20年7月5日の巨人戦では捕手として初スタメンを果たしていたが……[左は梅津]


 さらなる飛躍が期待された今季だったが、本職の捕手で木下拓哉がレギュラーを確保し、A.マルティネスが先発マスクをかぶったのは6試合のみ。一塁のスタメンが9試合で途中出場が33試合と出場機会が少なく、打率.244、2本塁打、7打点と不完全燃焼に終わった。

 報道によると、立浪監督はA.マルティネスを来季は主に外野で起用する方針を明言。秋季キャンプでは早速、外野の守備練習で汗を流しているという。

「捕手としても決して悪くはないが、スローイングに難があり木下と比べると見劣りする。打撃を生かすなら外野でしょう。肩も強いし適性はあると思う。チームも一新されてビシエド大島洋平以外のレギュラーは白紙の状況になっている。A.マルティネスはクリーンアップを担える力があるのでチャンスです」(スポーツ紙記者)

 自慢の打棒で外野のレギュラーをつかめるか。来季は野球人生をかけた大事なシーズンになりそうだ。

写真=BBM
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