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巨人は西武から6人獲得、阪神は果たして…12球団のFAお得意さま球団は?

 

 FAで12球団トップの人数を獲得しているのが巨人だ。1993年のFA制度スタートから2020年までに26人もの選手を獲得してきた。巨人がFAで獲得した選手といえば、元西武の選手が多いイメージがあるが、果たして過去に何人いるのだろうか。また、阪神もFA獲得が多いチームだが、どのチームからの獲得が多いのだろうか? 各チームの「FA移籍元」を調べ、どこからの獲得が最多なのかを調べてみた。

西武は複数球団のお得意さまになっている


西武から巨人へFA移籍した第1号は清原だった


 FA獲得人数が多い順に、FAお得意さま球団を以下にまとめてみた。

●巨人……お得意さま:西武、DeNA(26人中各6人)
・西武
清原和博
豊田清
片岡治大
脇谷亮太
野上亮磨
炭谷銀仁朗

・DeNA
門倉健
村田修一
金城龍彦
山口俊
梶谷隆幸
井納翔一

 12球団最多の26人をFAで獲得している巨人。イメージどおり西武が計6人で最多だが、実はDeNAからも西武と並ぶ6人がFAで加入している。昨季も梶谷と井納の2人が一挙に加入。しかし、今季は期待に応えることはできなかった。

ソフトバンク……お得意さま:西武(13人中4人)
工藤公康
石毛宏典
細川亨
帆足和幸

 巨人に次いでFA獲得選手数の多いソフトバンクも西武がお得意さまだ。1994年に工藤と石毛という西武の柱だった選手を獲得。2010年に細川、2011年に帆足を獲得しているが、それ以降は西武⇒ソフトバンクのFA移籍はない。

●阪神……お得意さま:オリックス(12人中6人)
石嶺和彦
山沖之彦
星野伸之
日高剛
糸井嘉男
西勇輝

 これまで12人をFAで獲得している阪神は、その半数の6人が元オリックス。FAスタート年に石嶺を獲得したのを皮切りに、翌1994年には山沖、1999年には星野がFAで加入した。近年もエース格だった西をFAで獲得。同じ関西圏ということもあり、太いパイプができているのだろう。

14年、FAで阪神からDeNAの一員となった久保


●DeNA……お得意さま:阪神(9人中3人)
野口寿浩
久保康友
大和

 DeNAは9人中3人が阪神からFA移籍してきた選手。このうち、2014年に加入した久保は、1年目に12勝と先発の柱として活躍し、4年間で29勝を挙げた。また、大和は2019年に自己最多の137試合に出場。今季も106試合と主力のひとりとして起用された。

中日……複数人獲得チームなし(通算7人獲得)
金村義明(近鉄)
武田一浩(ダイエー)
川崎憲次郎(ヤクルト)
谷繁元信(横浜)
和田一浩(西武)
小笠原道大(巨人)
大野奨太(日本ハム)

 これまでFAで7人を獲得している中日だが、上記のように7人すべてが異なるチームからの加入。キャリア晩年での加入で活躍できなかった選手もいるが、谷繁や和田といった見事なFA成功例もある。特に谷繁は2001年の加入から引退まで長くチームを支え続けた。

●オリックス……お得意さま:日本ハム、ソフトバンク(6人中各2人)
村松有人(ダイエー)
山崎勝己(ソフトバンク)
小谷野栄一(日本ハム)
増井浩俊(日本ハム)

 オリックスは6人中、日本ハム、ソフトバンク(ダイエー)から各2人獲得している。04年、FAで加入した村松は5年間、オリックスでプレー。通算563試合に出場したが、08年オフに大村直之との交換トレードでソフトバンクとなった古巣へ移籍した。山崎はベテラン捕手としてチームに貢献。昨年限りでユニフォームを脱ぎ、今季はバッテリーコーチを務めた。日本ハム時代は打点王を獲得するなど活躍した小谷野は、残念ながら本来の実力を発揮できずに2018年に引退。一方の増井は1年目に35セーブと活躍。今季は先発、中継ぎと複数の場面で重宝された。

西武から楽天へ岸(写真)、浅村の2人がFA移籍


●楽天……お得意さま:西武、ロッテ(5人中各2人)
岸孝之(西武)
浅村栄斗(西武)
今江敏晃(ロッテ)
鈴木大地(ロッテ)

 楽天はFAでこれまでに5選手を獲得しているが、このうち2人が西武、同じく2人がロッテからの加入となる。2019年に引退した今江以外はすべて現役で、岸は先発、浅村は主砲、鈴木は攻守に欠かせない存在となっている。

●ロッテ……複数人獲得チームなし(通算5人獲得)
仲田幸司(阪神)
サブロー(巨人)
涌井秀章(西武)
美馬学(楽天)
福田秀平(ソフトバンク)

 ロッテは過去5人をFAで獲得しているが、中日と同じく同一チームから複数の選手を獲得していない。また、リーグもセが2球団、パが3球団と大きな差はない。

●ヤクルト……複数人獲得チームなし(通算4人獲得)
相川亮二(横浜)
藤本敦士(阪神)
大引啓次(日本ハム)
成瀬善久(ロッテ)

 今季リーグ優勝を果たしたヤクルトも同じチームから2人以上を獲得した例はない。大物選手を獲得した例もなく、FA市場への参加には消極的だといえる。

●西武……複数人獲得チームなし(通算3人獲得)
中嶋聡(オリックス)
木村昇吾(広島)
石井一久(ヤクルト)

 12球団最多の19人をFAで放出している西武だが、FA獲得は過去3人しかいない。どちらかといえば人的補償での加入が多いチームだ。

04年、FAでヤクルトから日本ハム成績した稲葉は現在、同球団のGMだ


●日本ハム……複数人獲得チームなし(通算2人獲得)
稲葉篤紀(ヤクルト)
鶴岡慎也(ソフトバンク)

 日本ハムもFAでの放出例は多いが加入は少ないチーム。今季、新監督として新庄剛志ビッグボスが就任したことで、チームがどのように変わるか注目だ。

●広島……FA獲得選手なし

 広島は12球団唯一のFA獲得選手0のチーム。江藤智川口和久丸佳浩など主力級を数多く放出してきたが、FA補強なしで戦力を維持し続けている。

 12球団それぞれの「FA市場でのお得意さま」をまとめてみた。今季は過去FA獲得が最多の巨人がFAに参戦しないという話が出ており、例年以上にFA市場の動向が注目されている。果たして今季もお得意さまからの獲得があるのか、その点にも注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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