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【三番打者採点】巨人80点、ヤクルト100点、阪神75点…セ・リーグ6球団「三番」の評価は?

 

クリーンアップの一角である三番。打線のけん引役であり、チャンスを拡大、または得点を呼び込む重要な役割を担う打順だ。今シーズン、セ・リーグ6球団の「三番打者」を100点満点で採点した。

読売ジャイアンツ



巨人 80点

 今季最も三番での先発出場が多かったのは丸佳浩で55試合。打撃不調で二軍落ちを経験するなど、シーズントータルで見ると打率.265というらしくない成績で終わった丸だが、三番では打率.317、15本塁打、37打点とよく打った。続いて坂本勇人の35試合(打率.273、5本塁打、20打点)、吉川尚輝の29試合(打率.318、1本塁打、13打点)、梶谷隆幸の14試合(.333、2本塁打、9打点)だが、軒並み“三番では”好成績であることが不思議。他の打順との兼ね合いで固定ができなかったが、丸が三番を張り続けていたらどうなっていたか。いずれにしろ、故障者続出で原辰徳監督が考える理想のオーダーでシーズンを戦えなかったことが、3位フィニッシュの1つの要因といえる。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 100点

 主に三番を担ったのは山田哲人。日本一チームの三番打者なのだから、100点満点だ。今季より主将を務め、背番号1を背負う“ミスタースワローズ”。レギュラーシーズンでは、四番の村上宗隆に次ぐ34本塁打、101打点を記録して強力打線の要となった。そしてもちろん、20年ぶりの日本一にも大きく貢献した。山田は短期決戦について「クライマックスと日本シリーズと、なかなか自分はチームの勝利に貢献できてなくて足を引っ張ってばかり」と反省を口にしたが、日本シリーズ第5戦(東京ドーム)で同点3ランを放つなどさすがの打撃技術を見せつけた。日本一となり涙を見せた山田は、三番打者としてもチームリーダーとしても、大いにチームに貢献した。

阪神タイガース


阪神・マルテ[右]


阪神 75点

 阪神の三番打者といえばマルテだ。今季、8人もの選手が三番に起用されたが、これは四番にマルテが座ることがあったからで、実際に95試合で三番として出場している。今季の成績は打率.258、22本塁打、71打点。三番での成績は打率.285、17本塁打、57打点だから、同打順が適任といっていいだろう。マルテの特長はボール球を振らないこと。今季もチーム最多の74個の四球を選び、後ろのクリーンアップにつないでいる。またムードメーカーでもあり、本塁打を打ったあとにベンチ前で行うパフォーマンス「ラパンパラ」でチームの雰囲気は最高に。彼の活躍がなければヤクルトとの壮絶な優勝争いはなかった。今季の活躍もあり、来季残留の見込みだ。

中日ドラゴンズ



中日 30点

 今季最も多く三番を打ったのは大島洋平で67試合。これに続くのが高橋周平で33試合だった。開幕当初は高橋が三番に座っていたが、打線がつながらず、深刻な得点力不足もあって日替わり打線にシフト。新助っ人ガーバーに期待したが、11試合が我慢の限界だった。そこで与田剛監督は不動のリードオフマンだった大島を三番に起用。タイプ的には一番だが、チーム事情がそれを許さなかった。大島はそれなりの働きを見せたが、シーズンを通しての三番打者の成績は、4本塁打に41打点、打率.251と散々だった。他球団なら下位打線の数字だろう。果たして立浪和義新監督は来季、誰を三番に起用するつもりか。高橋周の復活が待たれる。

広島東洋カープ



広島 40点

 今季の広島は、概ね西川龍馬、鈴木誠也小園海斗と三番打者が代わり、終盤にまた西川に戻る、というのが大きな流れだった。年間を通すと、最も多く三番で先発出場したのは西川の59試合だが(小園45試合、鈴木誠16試合)、三番先発時の成績は打率.273で本塁打は7本、27打点。ほかの打順ならいいかもしれないが、三番としては物足りない成績に終わったと言える。来季は、ポスティングシステムでのMLB挑戦を表明している鈴木誠がチームを離れる可能性があり、新外国人のマクブルーム次第で何番を打つことになるかは分からないが、「僕がしっかりせなアカンのです」と言う西川がもう一歩階段を登れるかはカープにとって大きなカギになりそうだ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 80点

 序盤は三番・オースティン、四番・佐野恵太という並びだったのが、佐野の得点圏打率が伸び悩んだこともあり、5月半ばから両者をひっくり返し、三番にはシーズン終了まで佐野が座り、打率.303、17本塁打、72打点。2年連続の首位打者こそ逃したが、打率3割超えは期待に十分応える数字だろう。何よりプロ5年目で初めて全143試合に出場し、打点はキャリアハイだった。球団も今季の働きをしっかり評価しており、11月26日の契約更改では年俸7000万円から4000万円アップの1億1000万円でサイン(金額は推定)。ドラフト9位入団から自身のバットでサクセスストーリーを切り拓いている。

写真=BBM
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