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【三番打者採点】オリックス90点、ロッテ75点、楽天65点…パ・リーグ6球団「三番」の評価は?

 

クリーンアップの一角である三番。打線のけん引役であり、チャンスを拡大、または得点を呼び込む重要な役割を担う打順だ。今シーズン、パ・リーグ6球団の「三番打者」を100点満点で採点した。

オリックス・バファローズ



オリックス 90点

 2年連続の首位打者を獲得と、今季も間違いなく打線の軸となった吉田正尚。福田周平宗佑磨で一、二番が固定され、後ろを打つ四番も杉本裕太郎が台頭と、ワキを固める面々の奮闘も大きかったが、すべては“軸”があってこそ。左足の筋損傷、右尺骨の骨折と2度の故障離脱期間中に打線が苦しんだことがすべてを物語る。打率.339、21本塁打、72打点の好成績に圧倒的な存在感。骨折が完治でずに強行出場した日本シリーズでは、本来の姿を見せ切れなかったが、それも“頂”を目指す男にとって大きな糧になるのは間違いない。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 75点

 開幕3戦目から三番として固定起用された中村奨吾。昨季までは上位、下位とあらゆる打順に座った中で今季の起用法が変わらなかったのは「安定して結果を残せたからかな、と。だから、どんな状況でも結果を残すことは大事」と後半戦直後に自己分析していた。それだけに終盤が悔やまれる。二番に座ることもあったが、維持していた打率3割を切り、9月=.214、10月=.246と優勝争いの最中で快音を残せず。悲願の優勝をつかむには、勝負どころの一打が欠かせない。来季は、1年を通して主将の奮起に期待だ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 65点

 打率.269はパ・リーグで15位、昨季32本でタイトルを獲得した本塁打部門では9位タイの18本。67打点はリーグ10位タイと、本領発揮とはならなかった。今季は四番として開幕を迎えたが、途中から三番・島内宏明と打順をスイッチ。全143試合出場を果たしたものの、調子が上がらずスタメンから外れることもあった。その一方で、相手からの警戒は緩まず、リーグトップの101四球、出塁率.395で、打点王に輝いた島内をアシスト。それでも本来の実力からすれば物足りない数字だ。犬鷲打線の破壊力復活は長打も期待できる背番号3のバットに懸かっている。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 70点

 Y.グラシアルの長期離脱に伴い、四番に入ることも多かった柳田悠岐だが、後半戦スタートで三番の定位置に戻ると、コンスタントに安打を重ねて打率3割をキープ。シーズン終盤は三番と四番を行ったり来たり。なかなか打線がつながらずチームの得点力も落ちていたこともあって、主砲にかかる負担は大きいものだった。もともとは“三番好き”の柳田だが、チームの中心選手としての責任かと自覚も見え始め、今季は四番でも51安打を放って打率.293をマーク。来季は前後の打者を固定して、柳田を中心に得点を奪っていきたい。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム 50点

 不動の三番・近藤健介中田翔の不振、移籍で今季は主に四番を任された。代わりに最多50試合で三番を務めたのが3年目の野村佑希だ。ケガによる離脱で規定打席に到達せず、三番での成績は198打数48安打、打率.242、5本塁打、18打点だったが、7本中5本のアーチを三番で放った。続く45試合の近藤は打率.297、5本塁打、22打点。西川遥輝が21試合で打率.247、2本塁打、17打点。18試合の高濱祐仁は、三番では64打数18安打、打率.281、4本塁打とまずまずの成績を残した。打線の核となる三番を固定できない現状が得点力低迷につながった今季。ポイントゲッター・近藤を三番に据え、野村、高濱ら若き大砲の長打力に磨きがかかれば得点力アップが期待できる。

埼玉西武ライオンズ



西武 60点

 今季、三番に起用された打者は8人だったが、最多試合は森友哉の97試合だ。背番号10は三番で打率.302、7本塁打、31打点をマーク。しかし、呉念庭が三番で起用された6試合で22打数0安打と沈黙するなど、森以外7選手の合計成績は打率.174、4本塁打、10打点とまったく振るわなかった。10年ぶりの優勝を果たした2018年は浅村栄斗(現楽天)が142試合で三番に座り、打率.310、32本塁打、127打点をマーク。連覇を遂げた19年は三番で外崎修汰が58試合、森が46試合、秋山翔吾(現レッズ)が33試合、源田壮亮が6試合に出場し、合計成績は打率.285、27本塁打、102打点を挙げた。やはり、三番が働かなければチームも浮上しないだろう。現状では森が適任だろうが、捕手をやっている以上、多くの負担はかけられない。他の打者たちの奮起を望みたいところだ。

写真=BBM
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