ケガにたたられ、カープの精神的支柱にとっては、悔しいシーズンとなった。
シーズン序盤は、打率.296、1本塁打、5打点とまずまず順調に成績を残していたが、下半身にコンディション不良が発生し、5月4日に登録抹消。6月3日に復帰し、そこからしばらくはスタメンでも出場を続けていたが、6月15日の
西武戦(マツダ広島)で、8回の守備中に送球をジャンプして捕球した際に左足を痛め、再び登録抹消となった。
このケガのため、メンバーに内定しており、本人も強い意欲を持っていた東京五輪の日本代表も辞退となり、會澤はチームの金メダル獲得をただ見守ることしかできなくなった。
それでも後半からはまた戦列に加わり、9月25日の
DeNA戦(横浜)では3号決勝弾、10月28日の
ヤクルト戦(マツダ広島)では
大瀬良大地の今季初完封をアシストと、好守にさすがの働きを見せた。
會澤の欠場中は、
坂倉将吾、
石原貴規の若手両捕手が出場機会を増やした。坂倉は一塁手と捕手の掛け持ちでリーグ2位の打率.315をマークして五番打者として欠かせない存在となり、石原も
栗林良吏とのコンビでチームの逃げ切り場面を多く経験した。キャリアのある會澤と言えども、来季はまず定位置どりからのスタート、という立場になる。
果たしてチームリーダーの逆襲はなるか。まだまだ若い選手たちには負けられない。
写真=BBM