週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

菅野智之、丸佳浩、中田翔、小林誠司…来季の巨人の命運を握る「89年組」の現在地

 

 リーグ3連覇を逃した巨人。来季のV奪回に向けて、カギを握るのが「89年組」の活躍だ。エース・菅野智之、絶大な信頼を寄せる女房役の小林誠司、攻守で中心を担う丸佳浩日本ハムからシーズン途中に電撃移籍した中田翔、故障による育成枠から支配下昇格した高木京介……5選手とも不完全燃焼に終わっただけに、巻き返しが期待される。

巨人・中田翔


・中田翔
今季成績34試合出場、打率.154、3本塁打、7打点、0盗塁
通算成績1495試合出場、打率.248、264本塁打、957打点、14盗塁

 どん底まで落ち込んだシーズンだった。日本ハムでチームメートへの暴力事件が発覚し、8月11日に一、二軍戦の試合無期限出場停止処分が下された。そして、同月20日に巨人へのトレード移籍が発表されると即一軍で起用されたが、快音が続かない。一、二軍を往復して打撃の状態が最後まで上がらず、34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点。不調は技術的なものか精神的なものか原因が定かではないが、まだ限界を感じる年齢ではない。3度の打点王を獲得するなどパ・リーグを代表する長距離砲として活躍してきた。来年は意地を見せてほしい。

巨人・菅野智之


・菅野智之
今季成績19試合登板、6勝7敗、防御率3.19
通算成績215試合登板、107勝56敗、防御率2.39

 ここまで苦しむとは誰も想像できなかった。故障やコンディション不良の影響に苦しみ、4度の登録抹消を経験。試合中盤に球速が10キロ近く落ちるなど、故障を疑うほどの状態で、内定していた東京五輪も出場辞退した。ただ、シーズン終盤になると菅野らしさを取り戻していった。9月は5試合登板で3勝2敗、防御率3.21。10月は4試合登板で1勝0敗、防御率1.88。球威十分の直球は試合終盤まで落ちず、変化球の精度も高く連打を許さない。走者を背負っても要所を抑えるエースの投球で復活を予感させた。来季は相手を圧倒する持ち前の投球スタイルで、タイトルを総ナメにする活躍を見せてほしい。

巨人・小林誠司


・小林誠司
今季成績64試合出場、打率.093、1本塁打、3打点、1盗塁
通算成績685試合出場、打率.211、15本塁打、137打点、8盗塁

 正捕手奪取へ、課題は打撃に尽きる。2年連続打率0割台は本人にとっても屈辱だろう。先発マスクは27試合と大城卓三の95試合と大きく差が開いた。2016年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマークするなど強肩はリーグ屈指。ブロッキング技術や投手の配球術に定評があり、菅野や山口俊など主戦投手に絶大な信頼を寄せられている。典型的な「守備型捕手」だが、打撃もパンチ力があり、決して非力なわけではない。小技や進塁打を磨いて首脳陣の信頼を勝ち取りたい。

巨人・丸佳浩


・丸佳浩
今季成績118試合出場、打率.265、23本塁打、55打点、5盗塁
通算成績1470試合出場、打率.280、224本塁打、761打点、165盗塁

 今季は開幕して間もなく、新型コロナウイルスに感染したことが判明して戦線離脱。その後も打撃の調子が上向かず6月に故障以外で9年ぶりにファーム降格するなど試練を味わった。一軍復帰以降は調子を取り戻し、打率.227から前半戦終了時は打率.290と2カ月で6分以上上げたが、その後も好不調の波が激しい。8月以降は再びスランプに入り、スタメンを外れることも。ただ6年連続20本塁打をマークし、出塁率.365もチームトップと決して悪い数字ではない。主軸としてチームを引っ張ってもらわなければ困る選手だ。

巨人・高木京介


・高木京介
今季成績15試合登板、1勝0敗1ホールド、防御率4.42
通算成績229試合登板、10勝2敗2セーブ36ホールド、防御率3.55

 新人の2012年から救援で活躍していたが、16年に野球賭博に関与していたことが発覚。1年間の失格処分を受けた。18年に一軍復帰し、翌19年は自己最多の55試合登板で3勝1敗10ホールドとリーグ優勝に貢献。股関節痛の影響で昨オフは育成契約を結び、今年3月に支配下昇格されたがシーズンの大半がファーム暮らしと悔しい思いをした。左の救援陣は中川皓太高梨雄平大江竜聖戸根千明とライバルが多いが、来季は一軍フル帯同で存在価値を証明したい。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング