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首都大学リポート

「両方全力でやる」夢は高校野球の監督。文武両道を貫く桜美林大・河原木皇太/首都大学リポート

 

時間を有効活用して奮闘


桜美林大で一番・右翼の河原木は、横浜高では3年夏の甲子園で本塁打を放っている


【4月3日】1回戦
日体大6−4桜美林大

 高校野球ファンならば「河原木(かわらぎ)」という名前に、記憶があるだろう。

 桜美林大・河原木皇太(4年)は名門・横浜高で3年夏に甲子園出場。愛産大三河高との1回戦ではホームランを放ち、3回戦では吉田輝星(日本ハム)がエースの金足農高と激戦を繰り広げている。

 甲子園での活躍が認められ、桜美林大に入学。1年秋にリーグ戦デビューを遂げ、順調にキャリアを積み上げていった。

「桜美林大は自主性を重んじているのですが、横高のころから『自分で考えて、自分で動く』ように指導されてきたので、自分にはすごく合っていたと思います」

 コロナ禍で2年春のリーグ戦中止を経て、同秋には首位打者を獲得。3年春にはリーグ優勝も経験した。

「首位打者を獲ったときは、上級生の先輩方から『思い切りやれ』と言われていましたし、自分に変なプライドもなかったのがうまくいった理由だと思います。リーグ優勝をしたときはヒザを故障していたのですが良い経験ができました。大学選手権でも神宮球場で強い相手と戦うことができて良かったです」

 この冬はジムへ通って体づくり。同時に体の仕組みを勉強し、食事にも気を配るようになった。「脂肪ではなく筋肉量が増えて、昨秋のシーズンが終わった時は71キロだった体重が77キロまで増えました。そのおかげでパワーが付いて、これまでは単打が多かったのが、オープン戦ではツーベースが増えて打球も飛ぶようになったと感じています」

 進路については未定だが「できる限り、野球を続けていきたい」と河原木。実は今後の人生を考えて、教職免許の取得を目指しているという。「野球を上がったら指導者に。高校野球の監督をしたいです」。そのため、現在は野球と大学の講義を両立するため、授業の間でコマが空いたらバットを振るなど、時間を有効に使って奮闘している。

「桜美林大は両立できる環境がありますし、大学生ですから、勉強するのは当然。野球もおろそかにすることなく、両方、全力でやっています」

 今春は「最上級生になったので結果を残したいです。状態は良いので個人的にはタイトルを目指し、チームとしても優勝争いに加われるようにしっかりとやっていきたい」と抱負を語った。一番・右翼で先発出場した日体大との開幕カードは連敗スタートも、春のシーズンはまだ始まったばかり。大学卒業後も野球を続ける環境を切り開くためにも、全力で最後の大学生活を駆け抜けるつもりだ。

取材・文=大平明 写真=BBM
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