週刊ベースボールONLINE

プロ野球はみだし録

佐々木朗希で令和に復活した完全試合。続くときは続く? 快挙と快挙の間、最長と最短は【プロ野球はみだし録】

 

槙原の完全試合は約15年9カ月ぶり


4月10日のオリックス戦で完全試合を達成した佐々木朗


 2022年、4月にロッテ佐々木朗希が完全試合を達成すると、その1週間後にはパーフェクトを維持したまま8回を最後に降板。あわや2試合連続の完全試合かと心を躍らせたかと思えば、5月に入ると中日大野雄大が完全試合ペースで9回を終える好投を見せた。大野は惜しくも延長戦で快挙を逃したが、もし達成していたら、わずか26日後の快挙だったことになる。ただ、だとしても快挙と快挙の間隔としては最短ではない。

 かなり長いこと実現しなかったこともあり、たった26日で、という印象だが、最短は11日後。佐々木朗希の2試合連続が実現していたら、これも更新していたことになる。そもそも完全試合は1リーグ時代には1度もなく、2リーグ制“元年”の1950年に巨人藤本英雄がプロ野球で第1号に。2022年に達成した佐々木朗希までプロ野球で16度、16人の投手が達成している。つまり、同じ投手が2度、という離れ業は1度もない。

 完全試合どころか完投すら減少、完全試合が出にくいとされる人工芝の球場が一般的となり、パ・リーグでは代打で降板することがなくなる指名打者制が当たり前となった昨今、悲観的な展望も秘めつつ、長く“最後の完全試合”と言われていたのは1994年5月に巨人の槙原寛己が達成したものだ。平成で唯一の完全試合でもあるが、この約15年9カ月ぶりというのが間隔としては最長だった。それから佐々木朗希が令和で最初の完全試合を達成するまで、およそ約27年と11カ月。間隔との最長も大きく更新(?)したことになる。

 一方、最短の10日間、11日後の完全試合は8度目と9度目の間のもの。1966年5月1日に大洋(現在のDeNA)の佐々木吉郎広島戦で約4年11カ月ぶりに達成すると、12日には西鉄(現在の西武)の田中勉が南海(現在のソフトバンク)戦で達成した。佐々木は1安打でも許したら降板という“偵察登板”で結局1安打もないまま完投して達成、田中は最多117球での完全試合、と横顔の表情も豊かだが、シーズン2度の完全試合というのも最初で、現時点では最後となる。もちろん、月間2度というのも唯一だ。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング