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【四番打者採点】西武90点、ソフトバンク50点、楽天70点 パ・リーグ6球団「四番」の評価は?

 

開幕から3カ月以上が経過したペナントレース。果たして、打線の軸である四番打者はしっかり働いているのか? パ・リーグ6球団で「四番打者」を100点満点で評価した。
記録は7月4日現在

埼玉西武ライオンズ



西武 90点

「全部四番で出たい」と打線の“ど真ん中”に強いこだわりを持ってシーズンに入った山川穂高だが、開幕5試合目に右太もも裏を痛めて登録抹消に。14試合に欠場して“全試合四番”は早々に頓挫してしまった。しかし、出場61試合すべてで四番。24本塁打、49打点をたたき出しているが、いずれもリーグトップを走っている。特に本塁打は2位に11本の大差をつけて独走状態。さらに、山川が本塁打を放った20試合は18勝2敗と高勝率を誇っている。7月2、3日のソフトバンク戦(ベルーナ)は1安打、4三振と抑え込まれ、チームも2点、0点と得点を稼げず連敗。その打棒が勝敗に直結するだけに、今後も目の前の1打席に集中してバットを振っていく。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


ソフトバンク 50点
 
 藤本博史監督の下、ここまで四番に座ったのは3人。いずれも高いポテンシャルを持つ強打者たちだけに、ちょっとやそっとの活躍では物足りないというのが正直なところか。開幕は指揮官の希望どおり、四番・Y.グラシアルが実現した。オフの退団が一転、残留を決め、持ち前の勝負強さを買われて打線の中心に。ただ、なかなか思うようなバッティングができず。本人の状態、チーム状況を加味して、6月9日の阪神戦(PayPayドーム)からはA.デスパイネがその座に就いた。デスパイネも決して本調子とは言えないながら、得意の夏場に向けて徐々に、という矢先、まさかのアクシデントが。グラシアル、デスパイネがそろって新型コロナウイルスに感染して離脱。緊急事態となれば、指揮官もこの男に頼るしかない。「(今は)四番に入るのは柳田悠岐しかいない」。今季は一時、スランプも味わったキャプテンは、四番としてチームを救えるか。復調に期待がかかる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 70点

 今季は休養のためスタメンを外れることもあったが、ほぼ全試合で四番に座っているのが島内宏明だ。昨季はチャンスで驚異の勝負強さを発揮し、96打点をマークして自身初となる打点王に輝いた。今季はここまで37打点、チームでは浅村栄斗に次ぐ数字だが、昨季ほどの勢いはない。それでも6月22日の日本ハム戦(盛岡)では同点の9回に今季4号目となるサヨナラの3ランを放った。チームを勝利に導く、まさに四番打者の仕事だった。さらに14対1と大勝した7月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)では4安打2打点。「四番を外してほしい」とぼやきながらも、暑い夏にさらに調子を上げ、チームに貢献してくれそうだ。

オリックス・バファローズ



オリックス 20点

 今季も杉本裕太郎を開幕から四番に据え、主砲として大きな期待を寄せた。ただ大不振に陥ると、三番の吉田正尚を四番に置くなど打順を組み換え。さらに巧打者タイプの西野真弘中川圭太らも座るなど試行錯誤。一〜三番打者との並びを見て、ときに“つなぎの四番”を求めることもあったが、一発長打の破壊力は三番に座る吉田正尚との相乗効果は絶大なのは昨季の杉本自身が証明していた。それだけに交流戦から背番号99が復調すると、再び四番に据えた指揮官は「こっとちとしては、どんだけ誤算やねんというところ」と冗談交じりに喜びを口に。だが、交流戦明けから杉本が再びバットが湿って吉田正が四番に。打線の軸が定まらない現状が、得点力の不安定さにつながっている。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・安田尚憲


ロッテ 35点

 安田尚憲、山口航輝の“YY砲”に四番争いが期待された今季も、開幕はブランドン・レアードが四番に座り、その後はレオネス・マーティンと助っ人に頼らざる得ない状況が打線低迷を物語る。ただ、その両助っ人も今季の調子は今ひとつで、打線の破壊力が欠ける形に。強打が武器の捕手・佐藤都志也が座ることもあったが、現在も日替わり四番が続く。それでも、安田、山口の“YY砲”が四番に入ることも増えつつあり、理想の姿に近づきつつある。打線の売りは機動力を駆使して1点をもぎ取る巧みな攻撃だが、一発長打で流れを引き寄せい。借金返済で上位浮上を期すチームを四番が勢いづけられるか。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・野村佑希


日本ハム 75点

 BIGBOSSが76試合中37試合で四番を任せているのが4年目の野村佑希だ。一度も同じオーダーのない日替わり打線の中で、唯一“固定”に近いと言ってもいい。指揮官の期待に応え打率.291はリーグ4位、チームでは万波中正松本剛に次ぐ27打点をマーク。四番では打率3割超えに20打点と、主軸の役割を果たしている。主砲候補と期待されながらケガに泣かされてきたが、今季はひと皮むけた。5月17日のオリックス戦(ほっと神戸)で顔面に死球を受けて鼻骨骨折するも、翌日は三塁守備からフル出場。「四番としての自覚」も芽生え、恐怖心に負けずスイング力は向上した。4本塁打はまだ物足りないが、アーチを量産できれば、正真正銘の四番打者へと駆け上がれる。

写真=BBM
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