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【大学野球】明大から勝ち点奪取で単独首位の慶大 2021年秋以来のV奪還へ2年生エース・外丸東眞がけん引

 

明大戦で5安打完封


慶大の2年生エース・外丸は明大3回戦で5安打完封。リーグ戦通算10勝目をマークした[写真=田中慎一郎]


[東京六大学秋季リーグ戦第6週]
10月16日(神宮)
慶大5-0明大(慶大2勝1敗)

 85年ぶりのリーグ4連覇を目指す、明大の壁を突破した。慶大は1勝1敗で迎えた明大3回戦を、5対0で勝利。開幕から4カード連続となる勝ち点4とし、単独首位に立った。

 大きな山を越えたわけであるが、慶大・堀井哲也監督に、心の底からの笑顔はなかった。

「昨秋もここまでは来ている。ここからの道程が大変。気持ちを引き締めていきたいです」

 昨秋は第6週終了時点で8勝3敗1分の勝ち点4だった。第7週で明大が9勝2敗1分、勝ち点4として全日程を先に終えた。慶大は勝ち点奪取(2勝先勝)で優勝という条件だったが、まさかの連敗を喫し、V逸となった。同じ轍を踏むわけにはいかない。この秋、慶大の優勝条件は、早大戦で勝ち点を挙げるのみである。

 昨秋の早大2回戦。先発した当時1年生の右腕・外丸東眞(2年・前橋育英高)は1/3イニングで4失点降板。外丸は「苦い思い出が残っている。自分ためにも、卒業する4年生のためにも、チームの勝利に導く投球をしたい」と決意を新たにした。

 外丸は明大3回戦で5安打完封した。1回戦も2失点完投し、わずか96球。3回戦も100球とテンポの良い投球を見せた。リーグ最多5勝目(無敗)、防御率は1.24でリーグトップ。「シーズン前からの目標として、最優秀防御率のタイトルは取りたいと思っていました。チームの勝利につながる」。どん欲に狙っていく構えだ。

 外丸は140キロ中盤で、驚くほどのストレートがあるわけではない。良さは何か。慶大・堀井哲也監督は「ストライク先行で、打たせて取るピッチング」と絶賛する。外丸も自身の武器について「コントロールです」と即答した。4カードを終えて50回2/3でわずか10四死球。一方で20奪三振と、ゴロを打たせる投球術に長けている。ツーシーム、カットボール、スライダーでタイミングを外し、ストレートも打者の手元で動くという。

試合後の会見で笑顔を見せる外丸[右]。左は「七番・遊撃」で4打数2安打3打点と活躍した3年生・水鳥遥貴[慶應義塾高]。「絶対、勝たないといけないという中でも、いつも通りで臨んだ。やってきたことに関しては自信がある」と振り返った[写真=田中慎一郎]


 明大・田中武宏監督は外丸の特長を語る。

「(1回戦とは)配球を変えてきましたね。真っすぐで入ってくる。チーム内でも共有していましたが、対応できなかった。コントロールが良いのは分かっているので『強く振りなさい』と指示しましたが、ファウルの内容も悪かった。(バットに)かする程度のファウルで足下に落ちるケースが多かった。これまで何度も対戦し、ボールが動いているのも分かっているんですが、対応できないとこうなる」

 2年秋にして早くも、リーグ戦通算10勝目に到達した。「数字はあまり、意識していない。先発としては、勝ちにこだわっていきたい」。2021年秋以来のV奪還へ、2年生エース・外丸が「陸の王者・慶應」をけん引していく。
週刊ベースボール編集部

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