週刊ベースボールONLINE

首都大学リポート

城西大打線をけん引した瀬良潤平 大学最後のシーズンを5位で終え「やり切った」【首都大学リポート】

 

初めての1部で奮闘


城西大打線の中軸を担った瀬良潤平


【10月22日】一部リーグ戦
東海大4-0城西大
(2勝1敗)

 秋季首都大学リーグ第8週2日目。今季の最終戦を迎えた時点で勝てば3位となる位置に付けた城西大。中軸を担い、チームをけん引したのが瀬良潤平(4年・市川越高)だ。

 高校時代のコーチの勧めで城西大に進学した瀬良。しかし、「1年目はコロナ禍に見舞われ、2年目は結果が出ず。ずっと体づくりをしていました」と振り返る。もともと打撃に自信があったことと左肩に故障を抱えていたこともあり、3年夏からは打撃に専念。「相手投手をイメージしながら置きティーをずっとやっていたのですが、あの頃は開き直って練習あるのみでした」。

 リーグ戦デビューは3年秋(2部)。ベンチ入りメンバーに定着し、まずは代打として出場を重ねた。1部最下位の明治学院大との入れ替え戦では大事な初戦の9回裏、一死一、二塁のチャンスで起用され、左中間を破るサヨナラ打を放った。「サヨナラヒットを打ったのは人生で初めて。どんな球が来ても素直に打ち返そうと思っていました。自分らしいバッティングができました」。

 指導にあたる村上文敏監督も「どんなピッチャーが相手でもブレないバッティングを持っている」と評価。今春は指名打者としてレギュラーの座をつかむと、2部でリーグ4位の打率.407をマーク。自身初となるベストナインも受賞した。「3年の春頃から試合に出られれば活躍する自信はあったので、実際に証明することができてうれしかったです」。

 その後の入れ替え戦も勝利し、1部昇格を決めた城西大。瀬良にとっても初めての挑戦となったが、すぐに1部の投手に対応。日体大との開幕週は「緊張した」と言うが、2試合で3安打。そして、第2週の明治学院大1回戦では、大学での公式戦初本塁打を満塁弾で飾った。

悔いなき大学4年間


 好調の要因について「シーズン中もウエートトレーニングを欠かさず、ベスト体重の82kgをキープしています。85kgを超えると体が動かなくなるので、食事量は減らさずに運動量を増やすようにしています」と話す。

 さらに、体のキレをテーマにボックスジャンプなどのトレーニングに取り組んできたといい、「そのおかげでスイングにキレが出ました」と、効果を実感した。その後も第3週の明治学院大3回戦で2本目の本塁打を放つなど好調をキープ。第7週終了時点でリーグ2位の打率.359をマークした。

 しかし、この日の東海大との3回戦は米田天翼(1年・市和歌山高)の前に無安打に終わり、試合も0対4で完封負け。1部でのシーズンを5位で終えた。「最後に一本、打ちたかった」と話した瀬良だが、「城西大では2部から1部へ昇格するなど、いろいろな経験ができました」と4年間を振り返った。

 大学卒業後は一般企業で働くという。最後に「城西大に来て良かったですし、本当に楽しかった。悔いはありません」と話す表情は穏やかであり、死力を尽くしてやり切った男の顔だった。

文&写真=大平明
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング