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第2の森友哉…巨人の即戦力ルーキーは「開幕スタメン狙える逸材」

 

重心の低い構えからコンタクト


11月23日に行われたファンフェスタでユニフォーム姿で登場した佐々木


 愛嬌たっぷりの笑顔で、東京ドームに詰めかけた巨人ファンの心をつかんだ。11月23日に開催された「ジャイアンツファンフェスタ2023」。新人選手たちがユニフォーム姿で登場した際、ドラフト3位で指名された佐々木俊輔(日立製作所)は「愛称はおさるのジョージでやらせていただいています。これからジョージと呼んでください。よろしくお願いします」と挨拶し、大きな拍手が注がれた。

 帝京高、東洋大とアマチュアの強豪チームを渡り歩いた佐々木は身体能力の高さに定評がある。50メートル走は6秒フラットで遠投110メートル。この数字は見掛け倒しではない。外野の守備では快足を飛ばして打球の判断能力にも優れている。広い守備範囲に、送球は正確で力強い。打撃もミート能力が高く、パンチ力がある。昨年の日本選手権1回戦のJR九州戦でバックスクリーンに叩きこんだ先制2ランは印象的だった。

 アマチュア野球を取材するスポーツ紙記者は、こう分析する。

「体は小さいですが筋肉質で力強い。打撃は森友哉(オリックス)を彷彿とさせます。重心の低い構えからきっちりコンタクトする。ボールを捉えるポイントが体に近く、体の軸がブレない。ボール球になる変化球を見逃せるので選球眼もいい。巨人は外野の3枠が固まっていないので、1年目から開幕スタメン、レギュラーをつかむ可能性は十分にあると思います」

神経をすり減らす厄介な打者


 佐々木は身長174cm、80kgとプロでは小柄な部類に入る。身長170cm、80kgの小柄な体格で強打者に成長した森は良きお手本と言えるだろう。西武在籍時の2019年に打率.329、23本塁打、105打点でMVPと首位打者を獲得するなど、巧みなバットコントロールと長打力に定評があり、オリックスにFA移籍1年目の今季は110試合出場で打率.294、18本塁打、64打点をマーク。故障で離脱した期間が2度あったが攻守の要として活躍し、リーグ3連覇に大きく貢献した。フルスイングが持ち味だが、今季453打席で61三振という数字が示しているように三振の数が少ない。2ストライクと追い込まれたあとはコンタクトを重視して簡単に凡打しない。投手としてみれば神経をすり減らす厄介な打者だ。

熾烈な外野手争い


 巨人の内野は一塁・岡本和真、二塁・吉川尚輝、三塁・坂本勇人、遊撃・門脇誠で固まっているが、外野は熾烈な競争が繰り広げられる。今季、121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点と頭角を現した秋広優人は有力候補だが、レギュラーを確約されている立場ではない。実績十分の丸佳浩は昨季121試合出場で打率.244、18本塁打、47打点と不本意な成績に。11年ぶりに規定打席に到達できなかった。中堅でチーム最多の73試合に出場したルイス・ブリンソンは去就が不透明だ。長野久義梶谷隆幸らベテランに加えて現役ドラフトの移籍2年目のオコエ瑠偉、復活を期す松原聖弥、若手の岡田悠希萩尾匡也浅野翔吾が虎視眈々とレギュラーを狙っている。

 阿部慎之助監督はセンターラインを重視している。秋広を左翼、丸を右翼に据え、守備範囲が広い選手を中堅に固定するのが理想だろう。阪神近本光司の活躍を見ると、「一番・中堅」の重要性を認識する。今季は打率.285、8本塁打、54打点、28盗塁で2年連続4度目の盗塁王を獲得し、オリックスと対戦した日本シリーズでも29打数14安打、打率.483を記録してMVPを受賞。チームを38年ぶりの日本一に導いた。

 今季途中にドラフト4位入団のルーキー・門脇が遊撃の定位置をつかんだように、新人もチャンスを生かせば人生が変わる。将来の目標をトリプルスリーと掲げた「巨人のジョージ」は1年目から光り輝けるか。

写真=BBM
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