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【高校野球】プロ注目の超攻撃的一番打者 桐光学園・森駿太が今春県大会で設定した目標は「1試合1本塁打」

 

目指すは「全国制覇です」


プロ注目の遊撃手である桐光学園高・森。今夏の全国制覇を狙っている[写真=BBM]


 桐光学園高(神奈川)は今春のセンバツで、関東地区の補欠1位校だった。「関東・東京」一般選考枠は「6」。関東5位校・中央学院高(千葉)との比較検討であと一歩及ばず、2001年以来2回目のセンバツ出場を逃した(中央学院高は東京2位校・創価高との比較検討により、最後の6校目で選出)。

 今春のセンバツでは健大高崎高(群馬)が県勢初の春優勝。中央学院高は4強進出、桐光学園高が昨秋の関東大会準々決勝で惜敗した山梨学院高は8強進出と、関東勢の躍進が目立った。桐光学園高の主将・森駿太(3年)は一つの手応えを得た。自らの戦力と重ね合わせて、戦況をチェックしていたからだ。

「どこまで結果を出すのかを見ていました。関東の野球が、全国で通用することを確認できました。自分たちも自信を持ってやれる」

 桐光学園高の目標はいつの時代も変わらない。主将・森は力を込めて言う。

「全国制覇です」

 4月4日に春季県大会の組み合わせ抽選会が行われた。昨秋の県大会準々決勝進出の8校がシード校。主将・森は出場80校のトップを斬ってクジを引いた。昨秋の優勝校・桐光学園高サイドには同準優勝の横浜高、4強の東海大相模高、8強の慶應義塾高が入った。

「やることは変わらない。いずれ夏の大会で対戦することになる。自分たちは秋に県で優勝しており、この春も県優勝、関東大会も優勝し、夏の神奈川大会も制し、日本一を目指している。最後の夏が終わるまで、1回も負けない気持ちで取り組んでいます。追われる立場は難しいとも言われますが、圧倒したい」

長打力にフォーカス


 身長187センチの森は、強打の大型遊撃手。50メートル走6秒1、遠投100メートルと高いポテンシャルを誇り、NPBスカウトからも注目されている。ゲーム展開によっては、投手としてマウンドに上がる。桐光学園高・野呂雅之監督は、140キロ超のボールで力勝負できる「二刀流」としても期待している。左打席からの長打が最大の持ち味であり、高校通算36本塁打。低反発の新基準バットでも、すでに10本塁打を放っているという。

「チームとしてフィジカルを強化してきました。バットの芯に当たればフェンスオーバーになる。チーム方針としてスモールベースボールではなく、外野の頭を越す打球を追い求めています。長打力にフォーカスしてきた」

 超攻撃的な一番打者。森は今春の県大会で「1試合1本塁打」という数字を設定した。

「仮に1試合で3回凡退しても、4打席目で結果を出す。自分はアベレージヒッターではありませんので、大事な場面で、試合を決める一本を出すことを、心がけていきたい」

 自身のバットでチームを勝利へと導いた上で、高校卒業後の進路にも言及する。

「高卒プロという目標は変わらない。目標は高く、ドラフト1位を目指してやっている。取り組んできたことを信じて、大会で結果を出すことも大事になってくると思います」

 桐光学園高は2年生エース左腕・松井裕樹(パドレス)を擁した2012年夏を最後に、甲子園から遠ざかっている。12年ぶりの神奈川代表はあくまでも通過点。昨夏は慶應義塾高が107年ぶり2度目の全国制覇を遂げており、再び、神奈川に深紅の大優勝旗を持ち帰る。夏本番にピークを持ってくる途中段階として、春の県大会も勝利に対してどん欲に挑んでいく。桐光学園高は2回戦(4月7日)から登場し、横浜翠陵高と秦野曽屋高・二宮高の連合チームの勝者と対戦する。

文=岡本朋祐
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