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三浦大輔の「Hit it! If you can.」

三浦大輔コラム「名勝負が生まれる交流戦。リーグを越えた熱戦に期待」

 


フルスイングの迫力


 プロ野球は交流戦が始まっています。毎年やられっぱなしのセ・リーグは今年も苦戦している球団がありますが、勝負はこれからです。2005年に始まった交流戦は、年々形を変えて、今の形に落ち着きました。最初は1球団との対戦がホーム3試合・ビジター3試合の計6試合だったのが、07年から2試合ずつの計4試合になりました。

 その後に、ホーム・ビジターが2試合ずつだと試合間隔が空き過ぎるからということで、ここ3年はホーム、またはビジターで3試合ずつの開催。あまり交流戦が長過ぎても、ペナントにおける意味合いが変わってきてしまうので、いい形になってきていると思います。現場の意見や、ファンの声を取り入れて変わっていくことは大切なことです。やはりファンあってのプロスポーツです。選手にとっても普段、プレーしない球場、対戦できない選手と戦えることは新鮮です。

 交流戦がスタートとした05年はすごくワクワクしました。横浜スタジアムでパ・リーグの打線と対決できる。しかも、オープン戦ではなく公式戦です。当時、パ・リーグには松中(松中信彦ソフトバンク)、礒部(礒部公一楽天)、小坂(小坂誠ロッテ)、小笠原(小笠原道大日本ハム)がいた。翌年にはアメリカから中村ノリ(中村紀洋)も帰ってきて、彼ら同い年の選手との対決は、シーズン中の楽しみの一つになっていきました。

 今はそれほどではなくなっていますが、最初のころパ・リーグとセ・リーグで打者のスイングの違いは顕著でした。セの打者がコツコツ当てたり、右打ちをするのに対して、パの打者は三振を怖がらずにブンブン振ってくる。フルスイングが持ち味の強打者が比較的多かったです。なかでも松中や小笠原がそうでした。

 登板47試合、17勝23敗、防御率3.66。これが自分の交流戦での通算成績です。打たれた本塁打は「35本」と案外多いですね。それだけ交流戦で浴びた手痛い一発の記憶が残っています。

 最近ではいえば、ハマスタでスコアボード直撃弾を浴びたソフトバンクの柳田(柳田悠岐、15年6月3日)。しかし、それを上回るインパクトだったのが西武のA.カブレラです。西武ドーム(当時インボイスSEIBUドーム)のレフトの屋根に直撃された特大アーチは、忘れられません(05年6月3日、推定飛距離180メートルの認定本塁打)。

交流戦で一番印象に残っているのが05年にカブレラに浴びた特大の一発。あまりにすごい弾道に審判もボールを追い切れず、カブレラと自分も打球の行方を二塁ベースで確認し合いました/写真


 そうしたパ・リーグで注目しているのが・・・

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