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【プロ野球ファーム便り】ソフトB 曽根海成「超えるべき存在のいる場所へ」

 

高校時代に捕手を任されたこともあり、肩には定評がある


 ソフトバンクの二軍戦を見に行けば、内野で軽やかに動く背番号69が見られる。プロ4年目の曽根海成。2014年育成ドラフト3位で入団し、今季、開幕直前の3月24日に念願の支配下選手登録をつかみ、一軍の戦場に立つ権利を手にした。

「(育成で同期入団の)石川(柊太)さん、張本(優大)さんが支配下になっている。次は僕だ、と思っていた」と鼻息は荒い。

「今宮(健太)さんを抜きたい」

 オフの自主トレにも誘ってくれた、ソフトバンクが誇る正遊撃手を目標に設定し、自分で危機感をあおった。

 チームトップクラスの俊足が最大の武器だ。地道な練習を重ね、「守備は一軍でも通用するのではないか、というところまでは上達した」(水上善雄二軍監督)と評価されるまでレベルを上げた。

 一方で、左打ちの内野手では、アメリカ球界から復帰した川崎宗則を筆頭に、本多雄一明石健志のレギュラー格、高田知季牧原大成ら20代の伸び盛りなど、ライバルは多い。突き抜けるには、打撃面での成長が不可欠だ。

「競争相手がいっぱいいるのは分かっています。打てるようにならないと使ってもらえない」と話し、「選手のタイプとしては、井端弘和さん(現巨人内野守備走塁コーチ)。右打ちと左打ちの違いはあるけど、粘っこくいくこととか、チームバッティングを確実に決めること。僕のように一発のないバッターなら絶対に必要です」と将来像を見定めている。

 藤井康雄二軍打撃コーチと協力し、打席でのタイミングの取り方を改善している。ウエスタン・リーグ前半戦は打率.202と当たらなかったが、飛躍の糧になるきっかけをつかんだ。

 7月13日のフレッシュオールスター(静岡)。「九番・遊撃」で先発出場し、2本の二塁打を放った。両軍計8安打、初の無得点引き分けで打撃が目立ち、MVPに輝く。

「打てたのはたまたま。真っすぐを狙っていたから」と笑いつつ、マーリンズのイチローやアストロズの青木宣親など、好打者が得た勲章を自分もつかみ、「日本球界を代表する選手になりたい」と決意表明した。

写真=BBM

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