3月14日発売の週刊ベースボールでは2018年、大躍進を遂げそうな有望株を大特集している。高橋昂也(広島)、才木浩人(阪神)、吉川尚輝(巨人)らを扱っているが、巻頭インタビューを飾っているのは楽天・藤平尚真だ。高卒2年目右腕はエースと呼ばれる男たちの姿、言葉から影響を受け、ステップアップへの糧としている。インタビューの一部を、ここにお届けしよう。 エースの言葉に勇気づけられて
楽天・藤平尚真
チームには“先発3本柱”と呼ばれる3人の右腕がいる。最高のお手本のピッチングや言動は、10代の投手に多大なる影響を及ぼした。成長できる最高の環境が、このチームにはあった。
――プロ初勝利は、生まれ育った千葉にあるZOZOマリン(2017年8月22日の
ロッテ戦)でしたね。
藤平 そのとき、高卒ルーキーが誰も勝っていなかったので、何としても一番になりたかったんです。また、チームの調子が下降気味で、投打がかみ合っていない部分もあったので。そんな状況の中で初勝利を挙げられたことは自信になりましたし、これからチームのために頑張っていこうと思えた試合でした。
――ご両親もスタンドで観戦されていた。
藤平 僕は中学までを千葉で過ごしたんですけど、高校で横浜に行って、プロで仙台へ行って。千葉の方たちにはあまり活躍している姿を見せられていなかったので、マリンで頑張っているところを見てもらえたのがうれしかったです。
――チームが苦しい時期には、連敗ストッパーの役割も演じました。特に印象的なのが、9月4日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で則本選手が打たれて0対1のサヨナラ負けし、12年ぶりの10連敗。その次の先発が藤平選手でした。
藤平 それはもう、ものすごいプレッシャーでしたね。正直、あの後に投げるのは自分でもイヤでした。でも、則本さんから「あとはおまえしかいない」と言われて。このチームでエースと呼ばれる方にそんなことを言ってもらえたわけですから。自分ができることといえば、若々しく全力でマウンドで投げること。その結果、良いピッチングができて勝ちにつなげられたので、あれは則本さんのおかげだなと思っています。試合後にすぐ仙台に帰ると、則本さんはトレーニングをされていて、祝福してもらえたので、本当に勝ててよかったなと。結果的にですけど連敗が止まりましたし、自分でもいけるという自信になりました。
――チームには則本選手、岸選手、美馬(学)という“先発三本柱”がいます。そういった先輩たちから受ける影響は。
藤平 則本さん、岸さん、美馬さんを見ていて思うことは、グラウンド以外の場所でもすごく気持ちが落ち着いていますし、グラウンドの中だけ良ければいいというわけではないことが分かります。そういった姿勢も見習い、少しでもこの3人に近づけるようにしたいです。
――アドバイスをもらうことは。
藤平 自分の中で、岸さんは天才です。変化球について聞いたりすることはありますけど、岸さんに関してはキャッチボールする姿を見たり、練習する姿を見て学んで、自分で取り入れたりしています。完璧なマネはできないですけど、良いところはどんどん盗んで、成長したいです。
写真=BBM