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佐藤輝明は果たして…阪神期待の大卒ドライチ、1年目から活躍した選手は?

 

対外試合でもパワーあふれる打撃を見せる佐藤


 2020年のドラフト会議で注目を集めたのが、近大のスラッガー・佐藤輝明だ。大学時代はリーグMVPを2度受賞するなどの活躍をした選手で、4球団競合の末に阪神が獲得。キャンプイン後も順調で、実戦では6戦で2本塁打。怪物っぷりを見せつけており、1年目からの活躍が大いに期待される。今回は、佐藤と同じようにドライチで阪神に加入した大卒選手で、1年目から活躍した例を調べてみた。

過去には25人の大卒ドラ1選手がいるが……


 ドラ1で阪神に加入した大卒選手は以下の25人だ。
※年度はドラフト年。逆指名、自由獲得枠、希望枠含む

1968年 田淵幸一(法大)
1969年 上田二朗(東海大)
1971年 山本和行(亜大)
1973年 佐野仙好(中央大)
1976年 益山性旭(帝京大)
1979年 岡田彰布(早大)
1982年 木戸克彦(法大)
1986年 猪俣隆(法大)
1989年 葛西稔(法大)
1996年 今岡誠(東洋大)
1999年 的場寛壱(九共大)※
2001年 浅井良(法大)※
2002年 杉山直久(龍谷大)※
2002年 江草仁貴(専大)※
2003年 鳥谷敬(早大)※
2003年 筒井和也(愛知学院大)※
2005年 岩田稔(関大)※
2007年 白仁田寛和(福岡大)
2008年 蕭一傑(奈良産大)
2009年 二神一人(法大)
2011年 伊藤隼太(慶大)
2013年 岩貞祐太(横浜商大)
2015年 高山俊(明大)
2016年 大山悠輔(白鷗大)
2017年 馬場皐輔(仙台大)

 入団1年目から活躍した選手としてまず挙げられるのが、1968年ドライチの田淵幸一だ。大学時代に強肩・強打の捕手として大きな注目を集めていた田淵は、阪神でもいきなりレギュラーとなり、本塁打を量産。117試合で22本塁打をマークし、NPB史上初となる捕手での新人王となった。また、田淵の翌年に入団した上田二朗も、1年目から先発ローテーションに定着して9勝を挙げる活躍を見せた。

ルーキー時代の岡田。当初は出場機会に恵まれなかったが最終的に18本塁打をマーク


 次に目立った活躍を見せたのが岡田彰布。当初は野手陣が充実していたことや、ドン・ブレイザー監督の意向で積極的に試合に起用されることはなかった。しかし、プロ野球界全体が注目するルーキーを出さないことへの批判が集まり、最終的にブレイザー監督が解雇されてしまう。その結果、出場機会を得た岡田は108試合で打率.290、18本塁打と活躍。見事に新人王を獲得した。

 岡田以降は、ドライチの大卒選手の活躍が見られないシーズンが続いた。1996年のドラフトでは、後に球界トップクラスの打者へと成長する今岡誠が入団するが、目立った活躍を見せるのは2年目から。2003年の鳥谷敬も、同じくチームの要へと成長したのは2年目からだった。

大卒ドラフト1年目で新人王に輝いた高山


 2016年、ようやく岡田に次ぐ阪神の「ドライチ大卒選手での新人王」が現れる。それが高山俊だ。東京六大学ではリーグ最多安打の歴代記録をマークした逸材で、ドラフト直前に右手の手術を行うものの、評価は下がらず2チームが競合。抽選の結果、阪神が獲得した。手術の影響でキャンプは二軍スタートとなったが、2月に一軍に合流すると金本知憲監督の意向でオープン戦に起用。ここで打率.327と結果を出した高山は、新人ながら開幕戦で一番に起用されるという快挙まで達成した。その後も勢いは止まらず、シーズン通算安打の球団新人記録を更新するなど活躍。見事に新人王に選出された。

 高山が入団した翌年には、現在虎の主砲を務める大山悠輔が入団。残念ながら1年目は75試合に出場して打率.237、7本塁打と目立った活躍はできなかったが、それから3年でリーグを代表する強打者へと成長した。

 過去の例から見ても、期待の大卒ドライチ選手といえども、1年目から活躍するのは簡単はことではない。大学時代に目立った活躍を見せた選手でも、プロの壁に打ちのめされることは少なくないのだ。それでも、佐藤ならプロの壁を超える活躍を見せてくれるのではないだろうか。田淵や岡田のように、1年目から結果を残し、後に球史に残る選手へと成長するのか、佐藤のバッティングに注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM


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