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坂口智隆さんが称える親友の能力「つば九郎はコーチになれる」/『逃げてもええねん』重版記念インタビュー第1回

 

近鉄、オリックスヤクルトで活躍した野球評論家の坂口智隆さん。初の自著『逃げてもええねん』(ベースボール・マガジン社刊)が発売後たちまち重版となるなど、セカンドステージでも充実した活動を続けている。日々前向きにチャレンジを続ける坂口さんに、自分を成長させてくれる存在について聞いた。今回は、仲良しの一羽への思い。<4回連続の1回目>

心をつかめる鳥


坂口さんは8月に都内で行われたトークイベントでつば九郎と共演。一羽と一人が登場すると約200人の来場者から大歓声が起こった


――『逃げてもええねん』にもエピソードを書かれていますが、坂口さんが考える、つば九郎の魅力、凄さとはなんでしょうか。

坂口 つば九郎はヤクルトの大ベテランです。だれよりもチームを知っているし、いろんな選手を見てきて、その人にふさわしいコメントを出しています。人の性格を把握する能力が凄いなと思いますね。

――人を見てコメントするとは、まるでコーチのようですね。

坂口 まさにそうです。とくに一軍の選手は技術的に優れた人ばかりで、そういう人たちにコーチングすることを考えたとき、何が必要かというと、つば九郎のように気持ちをわかって言葉を伝えられることだと思います。そうできたら、選手はより動くんじゃないかと。試合では駆け引きの部分が大きくて、大切なのは技術だけではないですから。心から動くのと、形だけでやっているのとでは全然違う。心をつかめる鳥であるつば九郎は、本当にコーチになれるんじゃないかなと思っています。

――夜のパトロール(つば九郎はお酒の席のことを「ばとろーる」と呼ぶ)では、どんな話をするのですか。

坂口 おもしろいですよ。悩み相談的にもなりますね。話しているうちに、いつの間にか楽になったり。よく見ているなと思います。

――どんな観点の話なのか、内容が気になりますが。

坂口 鳥から見た話です(笑)。よく見えてます。何か、不思議と惹かれる存在ですよね。

――一緒にトークイベントもされていましたね。

坂口 トークと言ってもつば九郎はしゃべらず、フリップ一枚だけ。それでたくさんのファンがいる。やっぱり心をつかめる、人をつかめる鳥だと思います。

――歴代のマスコットの中でも、優れていますか。

坂口 そう思いますね。字を書きますからね。紙一枚で瞬時に、2行くらいの短い言葉で伝えるなんて、本当に頭が良くないとできないこと。頭のいい鳥でもあります。

――坂口さんは、ヤクルトのもう一羽のマスコット、つばみちゃんの魅力の一つを、表情が変わらないはずなのに、表情があることだとお話していましたが。

坂口 つば九郎もそうですね。立っているだけで笑いが起きたり、声援が起きたり。ノーリアクションのときもあるんですけど、そういうときでも、こうやって思ってんやろうなと想像できるというか。特殊能力なのかなと思います(笑)。

写真=BBM

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