週刊ベースボールONLINE

【元ソフトバンク・柴原洋に聞く】内角球を打つと詰まるか、三塁線へのファウルになるのはなぜ?

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役生活通算で1382安打を記録した、元ソフトバンク柴原洋氏だ

Q.小学6年生です、内角のボールを打ちに行くと、詰まるか三塁線方向のファウルにしかなりません。どうしたらいいですか。(埼玉県・13歳)



A.リードする側のワキの開きが原因でバットが遠回り。ワキを締め芯をポイントに持っていく


ソフトバンクの松田宣浩選手なども実践しているテクニックが…


 内角のボールに詰まる原因としては、リードする側のワキ(右打ちならば左ワキ)が開いていることが考えられます。ワキが開くとバットが外回りをする原因になりますから、自分では「とらえた」と思っても、バットはまだポイントには到達しておらず、想像した以上に詰まってしまいます。

 小学6年生に対しては高度なテクニックを求めることになってしまいますが、ワキを締め、芯をポイントまで持っていく意識を持つことで解決すると思います。それを形にするために練習を繰り返すことが必要ですね。ここではどちらかというと、芯をポイントまで持っていくことを意識すると、これはロスがあっては不可能ですから、自然とスイングもコンパクトになっていく(結果として、ワキを締めようとする)のではないでしょうか。

 それでもなおワキが開いてしまうときの、ワキを締める矯正法を紹介します。リードする側の手にバットを持ち、逆の手でリードする側の二の腕を抑えながら軸を回転させつつヒジから先を動かす(ヒジから先でスイングする)ことを繰り返してみてください。実際にティーバッティングなどでボールを打ってみてもいいでしょう。ワキを締めたままスイングするイメージが体に植え付けられると思います。このときは、リラックスしてスイングすることを心掛けるとなおよしです。実際の試合では、力むとワキが開きやすくなるためで、これはプロ野球選手でも同じミスを犯すことが多々あります。

 ちなみに、質問の方が内角のボールに詰まるのはワキの開きに大きな原因があったとして、加えて、引っ張らなければいけないという意識があるからではないでしょうか。内角だから何が何でも……という考えはなしにしてほしいです。内角でも、逆方向に打つ意識が必要です。内側からバットを出してあげれば、綺麗に逆方向へ流し打つことができるはずです。

 なお、質問にもある三塁線方向へのファウルになるのは、引っ張りたい意識が強くて、ポイントを前にし過ぎた結果でしょう。内角が苦手なのであれば、ベースから少し離れて立つのもテクニックの1つです。ソフトバンクの松田宣浩選手なども実践している方法なので、試してみるのも面白いと思いますよ。

写真=BBM

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング