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西武・中村剛也の不振は当然の流れです。復調するにはもっともっと早いテークバックが必要です【デーブ大久保のさあ、話しましょう】

 

かわいい後輩でもある中村剛也。もっともっと自分に厳しく、そしてテークバックを早くすることが復調への早道だと思います/写真=BBM


 今季、パ・リーグで注目する選手に“さんぺい”こと西武の中村剛也を挙げていました。シーズン展望号のパ・リーグ予想の中で「不動心を持て!」というタイトルを付け激励しました。

 でも、まだまだ届いていないようです。西武が特に打線が好調な中にあり下位打線を打ち、打率1割台でホームラン「0」です。今は打線が好調なので、意外に問題ないですが、今後全体的な低調に陥ったときに、さんぺいの悪さが目立ってしまいます。それまでにいかにエンジンをかけるかだと思いますが、左肩痛で登録抹消になりました。

 人というのは記憶の中で生きるものです。「あのとき、すごいホームランを打たれた」という記憶が相手投手や捕手、チームの印象として残る。それが積み重なって恐怖の打者へとなっていくものです。だから、今は打っていませんが、打席に立つことで、投手は「この打席こそは打つんじゃないか」という思いが出てくる。それだけ存在感のある打者でもあるので、スタメンの中にいるだけでも実際に価値はあるのです。

 では、ここまで打撃が低迷してしまった理由を私なりに探ります。2008年、25歳のときにホームラン王を獲得。そこから計6度のホームラン王に輝いています。ここまでの実績を残せば、コーチ陣は誰も彼を叱ることや注意することができなくなるわけです。

 ホームラン王を獲得したときの打撃コーチは私です。前年が7本塁打のみです。かなりの数を強制的に振らせて、あの地位に昇り詰めました。ただ当時の私は普通にアイツをしかりつけたりできました。しかし、いろいろあって私が現場を離れたことで、ほかの打撃コーチが、私のときのように言えなくなった。何せタイトルを獲得している打者ですからね。

 個人的には、いくら成功した選手だからといって練習を本人任せにはしてはいけないと思っています。どうしても人はなまけてしまいますから、手を抜いていないと思っていても抜いてしまう。強制的にほかの選手と競わせると、気合が違うわけです。打者というのは30代までは、強制的に振り込む時間が必要です。それはさんぺいのように何度もタイトルを獲った選手でも一緒です。

 さんぺいが手を抜いたということでは決してないのですよ。ただ、どこかで甘えがあった。そして、それを見越してしっかりと言えるコーチの存在がなかったことで、34歳になった今、きつい練習をしたという貯蓄を使い果たしてしまったのです。打てないのは必然ですし、だから今季心配していたのです。

 解決法は1つ。以前に落合(落合博満)さんがやっていた打撃練習。テークバックを早く取って、ゆる〜いボールを引き付けて打つ練習が必要です。体にキレがないわけですから、ケガが完治したら応急処置として、今まで以上に早くテークバックを取るべきです。かわいい後輩だからこそ、カツを入れたいと思います。

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