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打撃コーチが語る西武・秋山翔吾好調の秘密

打撃コーチが語る西武・秋山翔吾 好調の秘密

 

プロ5年目で大成長を遂げた秋山。7月22日試合終了時点の成績は88試合/打数378/安打142/本8/打点30/打率.376(写真=川口洋邦)


前半戦、最も脚光を浴びた記録は秋山翔吾の連続試合安打だった。結局、新記録更新はならなかったが、ヒットを量産している今季、シーズン最多安打記録の達成などにも期待がかかる。秋山が今季、大飛躍した理由を宮地克彦打撃コーチに聞いた。

ボールを呼び込み見極めが可能な打撃


ついに記録が途切れた。7月14日の楽天戦(西武プリンス)、この日無安打だった秋山翔吾は延長10回一死から四球を選んだ。続く木村文紀の犠打で二進し、浅村栄斗が死球で二死一、二塁。サヨナラの好機に中村剛也が左翼席へぶち込み、チームは勝利。秋山にヒットが出ずにゲームが終わり、6月3日の中日戦(ナゴヤドーム)から続いた連続試合安打は歴代3位タイの31でストップした。しかし、この間の成績が素晴らしい。129打数51安打、打率.457と驚異的なものだ。前半戦終了時点で140安打。1シーズンに換算すると233と2010年にマートン(阪神)が記録した年間最多安打214の更新も期待される。 恐ろしいペースでヒットを積み重ねる秋山だが、好調の要因として打撃フォームの変化が挙げられる。昨年よりトップの位置を下げて、バットを寝かせて構えるようになったが、それが秋山の打撃にどのような好影響を及ぼしたのか――。

7月14日の楽天戦(西武プリンス)、ノーヒットのまま迎えた10回裏の最終打席で四球を選び記録は途絶えた。「記録が途絶えたのは残念ですけど、挑戦できたことは野球人生の財産になる」と本人(写真=内田孝治)



宮地「まずは昨年のように高く構えていると、ボールを点でしかとらえることができません。上から叩くとタイミングが合えば力強い打球が打てますが、“点”なので確率は下がります。秋山自身も点より線で打ちたい気持ちがあり、昨年からさまざまな形に取り組んでいたんですがフォームがしっくりこず、最終的に元のフォームに戻しました。

 今年、あらためて打撃フォームを模索する中で、昨年試行錯誤したことが生きたのは間違いありません。オフに右ヒジ遊離軟骨除去手術を受けて体も万全になり、森(友哉)の打撃からもヒントを得て。それにやはりホームランではなく、3割を打つことが目標だと再確認して、2月のキャンプでしっかりと振り込むことができた。それを実戦であるオープン戦で試してみたら結果が出て(オープン戦首位打者)、非常にいい状態で開幕できたことが大きかったでしょう。

 そこから波がなく打ち続けているわけですが、トップの位置を下げて構えると当然、“線”で打つことができますし、インパクトまでの距離も短くなります。ということは、それだけボールを見ることができ、呼び込めるということ。0コンマ何秒の違いなんですが、それが大きい。打ちにいきながら真っすぐか変化球か、ストライクかボールか、内角か外角か、見極めることができる。

 だから・・・

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