週刊ベースボールONLINE

2015記録トピックス中間報告

篠塚和典が数字で読み解く“混セの行方”

 

44勝61敗と交流戦でパ・リーグに完敗。セ・リーグ首位だったDeNAが交流戦で最下位、2位だった巨人も11位に沈み、大混戦の引き金となった。前半戦終了時点で首位から最下位まで4ゲーム差と、過去最小だった73年セの6.5ゲーム差をも上回る大混戦。この状態から抜け出し、ペナントを手にする球団は……。野球評論家の篠塚和典氏がカギとなる“数字”をピックアップし、大混戦の行方を予想する。
取材・構成=鶴田成秀 写真=BBM



カギは投手陣にあり!


 連勝すれば連敗し、上位が負ければ下位が勝つ――。前半戦は、こうした流れになっていました。だから、首位を走るチームが出なければ、下位に沈むチームも出ない。どのチームも勢いに乗り切れず、混戦の展開となっています。

 なぜ勢いに乗れないのか。それは、チームがベストな状態ではないのが一番の理由。投打ともに主力がケガをしたり、不調に陥ったり。メンバーを固めらないので、連勝したとしても勢いを維持できません。

 固定できないというのが顕著に表れているのが先発投手陣です。セ・リーグ6球団を見ると、しっかりと先発ローテを固定できているチームは巨人と広島くらいでしょうか。前半戦で先発投手を務めた人数を見ると巨人が8人、広島が9人。ほかの4球団は、10人以上と固定されていないのが分かります。さらに前半戦で10試合以上に先発した投手数は、巨人と広島の5人が最多。5、6人でローテを回すので、ほぼ固定できたといっていいでしょう。



 先発投手陣の勝敗に目を向けると、広島が34勝28敗の貯金6でトップ。次いで巨人が33勝30敗で貯金3。単純に勝ち数だけみても、この2チームが1、2位となっています。ただ、これがそのままリーグ順位に結びついていないのは救援陣の差でしょう。山口鉄也マシソン澤村拓一と、7回以降の投手陣が整備されている巨人に対し、広島は固定できてない。当然、先発が好投しても、2番手以降が失点すれば勝てません。また、DeNAや阪神は先発陣が安定していなくても、先発投手が降板後に逆転勝ちを収めている、ということになります。

 これが、冒頭に話した「連勝すれば連敗し、上位が負ければ下位が勝つ」という流れの一因ではないでしょうか。つまりは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング