取材・文=鶴田成秀 ワインドアップからキレイな一本立ち。真っすぐ足を伸ばして、しなる腕。その
森下暢仁の投球フォームを表現するならば「静か」だ。
ただ、放たれるボールの最速は148キロを計測と「静か」とは異なる。目から得る情報とは異なるボールが向かってくるのだから、相手打者にとっては打ちにくいはずだ。
とはいえ、投手としては“真っ白なキャンパス”を持っている。というのも、マウンドには小学生のときから上がっていたが、ヒジを痛めて中学では野手に。大分商に入学すると監督の薦めで再び投手となるも、2年生で再び野手へ。新チームとなった昨秋から本格的に投手として再スタートを切った。いわば発展途上の逸材。伸びしろ十分な投手なのだ。
そんな森下が、U-18ワールドカップのメンバーに混じっているのだから末恐ろしい。それだけで彼の能力の高さが分かるが、加えて代表メンバー20名のうち、彼だけが春夏通じて甲子園未経験者。今夏の大分大会は、決勝まで駒を進めるも0対1で明豊に惜敗。大分大会を通じ、わずか4失点で甲子園を逃した。
「勝負所で球が甘くなって、点を取られたので、そこが課題としてみつかりました」
敗退後も「後輩たちに交じって練習していました」と、未完の大器は、鍛錬を重ねていた。そして迎えた今大会は、今夏の甲子園を沸かせたメンバーの投球に驚くばかりだった・・・
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