絶やさずドラフト候補選手の動向をチェックするスカウトたちは、正月も活動していたのだろうか。本誌連載でおなじみの元巨人チーフスカウト・中村和久氏が、スカウトたちの“正月事情”を語る。 365日、情報のアンテナを張り巡らせないといけない。だからスカウトには正月も休むヒマはありません。むしろ、情報収集の場であり、神経質になるのが正月でした。とくに私がスカウトを務めていた時代は、逆指名制度だったので、他球団よりもアプローチが遅くなってはいけないと、年始にチームへあいさつに行くことは絶対に欠かしませんでした。
ただ、細心の注意を払う必要があったんです。というのは、早く行きすぎてもダメ。元日の午前中には、直接お会いするか電話をしたい気持ちがあったのですが、他球団が後からあいさつに行った場合、会話の中で「先ほど○○球団が来ました」という話になったら、こちらの動向が知られてしまう。さらに、あとから行った球団に「○○球団よりウチのほうが!」とアピールする場を与えてしまうのです。一刻も早く獲得の熱意を示したいのですが、ライバル球団を増やさないためにも、慎重さも必要でした。だから、私は元旦の夜にあいさつをしていた。夜なら、その後に他球団があいさつに来るリスクは軽減できたからです。
他球団に動向がバレないようにするには、報道陣も警戒する必要がありました・・・
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