野球の神様が見ていたホームラン

　日本シリーズが究極の決戦の舞台であることをあらためて思い起こされるシーンとなった。

　1対1の9回二死一、三塁。一打サヨナラの場面で打席には日本ハム・岡大海。その初球、広島・中崎翔太の投球が岡の背中を直撃する死球となると、激高。エキサイトした両軍ナインがグラウンドへ。第3戦で黒田博樹が降板した際には日本ハムファンからも声援が飛ぶなど、それまでの“友好ムード”は一変。騒然とする場内で、しかし打席に向かう西川遥輝は冷静だったのだ。

「乱闘に加わって打席に立ち遅れたら嫌なので、燃えるものはありましたけど冷静に打席に向かいました」

　求めるのは個人的な怒りではなく、チームの勝利。西川には結果を残さなければならない理由があった・・・