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藤浪晋太郎インタビュー

 

速い、強い――。キャリア3年目を迎えた藤浪晋太郎が投じるボールから受ける印象だ。大阪桐蔭高での春夏連覇も記憶に新しい21歳右腕は、高卒1年目からの2年連続2ケタ勝利と、周囲の期待に応えながら、超速の進化を続けている。侍ジャパンには昨秋の日米野球からメンバー入り。今秋初開催の『世界野球プレミア12』では、前田健太(広島)、大谷翔平(日本ハム)と並びスターターの軸を任されることが確実である。

今年はもっとイケイケ
桐蔭勢抑えてMVP


 さながら侍ジャパンのトレードショー。7月17日(東京ドーム)、18日(マツダ広島)に行われたオールスターゲームのことだ。日本球界から選び抜かれた選手のみ出場が叶う舞台なのだから、それも当然なのだが、セ・パ合わせた出場56人のうち42人が、前日16日に発表されたWBSC世界野球プレミア12の第1次候補選手入り(セ=19/28、パ=23/28)。そんな名だたる選手たちとの共演で、さっそく主役の座を奪い、強烈なインパクトを残したのが、若き虎の大黒柱・藤浪晋太郎だった。

――3年連続3回目のオールスターでしたが、過去2回と異なるのは、昨秋に日米野球で侍ジャパンを経験した上での出場、ということです。両軍ベンチには代表のチームメートが多く選出されていましたが、これまでとは違った雰囲気の中でプレーすることができたのではないですか。

藤浪 そうですね。日米野球から皆さんにすごく良くしていただいていました。これまでは知らない選手の方が多かったですが、今回はそうではないので、良い雰囲気でやらせてもらえたかなと思います。

――侍ジャパンの常設化で、敵チームの選手との距離が近くなることを危惧する声もあります。しかし、国際大会で勝つために、これまでのような急造ではなく、チームワークを深められる利点もある。1次候補と同時に発表されたオフィシャルスーツにも、“チーム”を意識させるメッセージが込められています。

藤浪 戦う前の移動時にも着用するおそろいのウェアなので、(チーム一丸になる意味で)、良い取り組みだと思います。それに、ほかの球団の選手との会話も、プラスになることの方が多いです。実際、今回もいろいろな話をすることができましたね。あと、今回のオールスター、純粋に楽しかったんですよ。今までもイケイケでしたが、今年はもっと(笑)。

――第1戦では3回を無安打無失点(2番手)、MVPを獲得しました。気持ち良さそうに投げていましたね。

藤浪 結果を気にせず、ファンの方に楽しんでもらおうという気持ちだけでした。特にパには大阪桐蔭(高OB)が4人いましたし、思い切ってプレーした結果が良い方につながりました。MVPはラッキーです。

3年連続3度目のオールスターでは、東京ドームでの第1戦に2番手で登板。3回を無安打無失点でMVPを獲得。西武森友哉、大阪桐蔭勢、侍ジャパン勢をピシャリと抑えた



――6回に巡ってきた森友哉(西武)選手との対戦は力が入りましたか。

藤浪 森のときは、『真っすぐ勝負で行かなければいけない』みたいな雰囲気があったので。何とか力で押して行こうと思ったんですけど……。

――天井直撃のファーストフライ。

藤浪 あれも紙一重で、少しズレていたら看板直撃弾。結果はファーストフライですけど、天井に当てて球場を沸かせるあたり、タダでは倒れないヤツやなと(笑)。今回、1次候補の65人にも一緒に選ばれましたが、何よりも森の売りはバッティング。19歳であれだけバットを振って、しっかり捉えられるのがスゴイ。あの体でホームランを打てるのは、そういうことですよね。自分が今まで対戦してきた打者の中で、「しっかり振って、捉える」という能力で言えば・・・

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