世界でも稀有なサブマリンとして、先発、そしてクローザーもこなす牧田和久。昨秋の日米野球ではノーヒットノーラン継投の一員となった。世界の舞台で牧田の存在は欠かせない。 写真=桜井ひとし サブマリンの牧田和久は日本代表に潜ると、深海で大きな経験を得て再浮上する。
2013年WBCではストッパーを務めた。「吐きそうな緊張感の中で投げていた」。
浅尾拓也(
中日)の右肩不調による落選はあったが、
山口鉄也(
巨人)、
今村猛(
広島)、
森福允彦(
ソフトバンク)と救援経験豊富な猛者たちを抑えての抜てきだった。先発を軸として成り上がったが、プロ1年目の11年シーズン途中に転向し、22セーブを挙げた。世界的に見ても希少価値の高いアンダースロー、超高速クイックを駆使し、強心臓も備える。資質として申し分なかった。
あえてありふれてた言葉で表せば根性もある。第2ラウンドの台湾戦、バントの小飛球に対し、ダイビングキャッチで好捕した。複数箇所を打撲するほどの勇猛果敢なプレーは、頭の中にシーズンのことを考えていればできない。
根性は男気にも言い換えられる。それは今も変わらない。8月、大型連敗に陥った
西武は救援陣が絶不調に陥り、抑え経験のある牧田に白羽の矢が立った。5勝7敗にとどまっていたとはいえ、防御率2.93と安定感は抜群だった。何より故障のエース岸の穴を埋めて開幕投手の大役を務め、開幕ダッシュの立役者となった。自負がある。「プライドを持って開幕投手を務めたつもりです」と純粋に言った・・・
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