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西浦直亨内野手・危機感を胸に挑む2年目

 



 ルーキーイヤーを終え迎えた初めてのオフも、緊張の糸がほぐれる余裕はない。「正直、すごい危機感です」──。西浦直亨は、頬をこわばらせる。

 新シーズンに向け、定位置の遊撃のポジションは『大激戦区』と化している。2年連続最下位から巻き返しを狙い、チームはオフの大補強を断行。日本ハムから大引がFA移籍し、さらには巨人から相川の人的補償として19歳の奥村も加入した。昨季遊撃で最多出場した選手会長の森岡を筆頭に、今浪、谷内、荒木……。「大引さんだけじゃなく、みんながライバルです」と西浦。定位置をかけたサバイバルレースが始まる。

 大引は法大の大先輩にあたる。堅守巧打で存在感を示すその姿を、常にあこがれの眼差しで見つめてきた。「まさか同じチームになるとは」――。超えなければいけない大きな壁が目の前に現れ、23歳のハートに火がついた。

 課題は明白だ。昨年は3月28日のDeNAとの開幕戦(神宮)にスタメン出場し、プロ初打席で初球を初本塁打という記録にも記憶にも残るデビューを果たした。しかし、プロの壁にぶつかり、14試合で打率.156、1本塁打、5打点。二軍でも速球に対応できず打率.217と苦戦が続いた。

「とにかく打撃をレベルアップしたい」。フェニックス・リーグ、秋季キャンプを通じてスイングスピードのアップを目指し、ひたすらバットを振り込んだ。オフの自主トレは、天理高の大先輩にあたる関本(阪神)の沖縄自主トレに参加。「打撃を中心に見て、聞いて勉強したい」とどん欲だ。「とにかく必死です。はい上がるしかない」――。大先輩の胸を借り、がむしゃらに挑む。
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