高橋由伸監督体制で新しくスタートを切った巨人に、有望な高卒左腕が加入した。高校3年間で甲子園出場実績はないが、その高いポテンシャルは注目されていた。体も出来ており“入り”がうまくいけば、早い段階で貴重な戦力となるかもしれない。 取材・文=中里浩章、写真=BBM 1年夏からベンチ入りも「投手」としては発展途上
巨人からドラフト6位指名を受けた
巽大介の名前を見てピンと来た人は、おそらく関係者でなければ相当に目の肥えたマニアだろう。これまで大舞台とはまったくの無縁。今夏も東東京大会3回戦で姿を消した。
ただし、能力の片鱗は昔から見せている。中3の夏、春に全国優勝を果たした千葉市シニアから完投勝利を挙げた。左腕から繰り出される直球は中学卒業時の最速が135キロ。しかも180センチ70キロと華奢な上にスライダーのキレも抜群だったから、まだまだ伸びる余地を感じさせた。
その素質に目をつけたのが、当時の岩倉高を率いた磯口洋成監督(現常磐高監督)と豊田浩之部長(現監督)だった。高校へ入学した巽は1年夏からベンチ入りを果たし、3回戦で上々のデビューを飾る。ただ、ここから伸び悩んだ。本人いわく「もともとヒョロヒョロで下半身がしっかり使えず、上体の力に頼った投球をしていた」から、どうしても球が上下にブレやすい。ボール球が先行して自滅するパターンが多く、「投げている球は素晴らしいけど安定感がない」というのが周囲の評価だった。
体重増で土台が安定しキレと回転数がアップ
大きな転機が2つある・・・
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