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Vol.03 加藤拓也(慶大・投手) 気迫で押す最速153キロ右腕

 

投球フォームから気合がにじみ出ている。最速153キロ右腕・加藤拓也。今季はチーム事情によりほぼリリーフとしての役割に徹し、東京六大学で最優秀防御率を受賞。来春は再び先発へ戻り、今年以上にフル回転していく覚悟だ。



 慶大では1年春からリーグ戦デビューを飾るなど、神宮球場で多くの経験を積んでいる153キロ右腕。3年間でリーグ通算16勝を挙げており、チームの大黒柱としてフル回転してきた。今秋のシーズンはチーム事情から抑え役を務めたが、完投できる能力もあるだけに、どんな役割もこなせるタイプの投手だ。

 投球フォーム(8.0)はまだまだ改善できる点が多い。セットポジションからダイナミックに左足を上げ、体全体を使って力強く腕を振る形。ただ、軸足となる右足への体重の乗り方が甘く、リリース時にすべての力が伝わっていない。そのために、良い球と悪い球がはっきりしている印象だ。あとは、真上から投げることを意識していると思うが、体全体が一塁側に倒れてしまうことがある。こうなると仮にスピードは出ていても、打者にとってはキレがない球になってしまう。一定のリズムにならないように投げ急がずに、体が倒れないようにすれば、もっと球に伸びが出てくる。もう少しオーソドックスというか、無理のない投げ方をしてほしい。

 ストレート(9.0)は150キロを超えてくる。地肩が強く、球質も重い。プロでもトップレベルの球速と言えるが、先に触れたように、打者の手元でもう一段伸びる球質を求めてもらいたい。

 変化球(8.5)はスライダーのキレがいい。フォークも球速が出ており、決め球として十分に使えるレベルだ。今後は緩急をつけるために大きく割れるカーブなどが習得できれば、さらに投球の幅は広がる。

 一番の課題は・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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