4月に19勝8敗と好調に滑り出したオリックスだったが、シーズン中盤に力尽きて優勝はソフトバンクに譲った。だが、6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)出場を果たすなど、開幕前の下馬評を覆す躍進の1年となった。一方の阪神もCSに進出し、日本シリーズへと勝ち進んだ。今回は関西に拠点を置く2チームの課題を浮き彫りにしてみたい。 オリックス・バファローズ
復調が待たれる平野佳 オリックスには、よくぞ2位に入れたと思わせるデータがある。それはサヨナラ試合に1勝11敗だったことだ。
5月17日のソフトバンク戦(京セラドーム)で1対1で迎えた12回裏、無死一、三塁に
伊藤光の右犠飛で勝利。これが昨年のオリックスがサヨナラ勝ちした唯一の試合である。その後はサヨナラ試合において11連敗のままだった。昨年のパ・リーグ各球団のサヨナラ試合の成績は以下のとおりである。
▽
ロッテ 8勝2敗 .800
▽
楽天 8勝5敗 .615
▽
西武 6勝5敗 .545
▽ソフトバンク 7勝6敗 .538
▽
日本ハム 5勝9敗 .357
▽オリックス 1勝11敗 .083
日本ハムとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦でも1対1で延長戦に入ると、10回表から当然のように救援の切り札である
平野佳寿をマウンドに送ったが、
中田翔に中越えに決勝ソロを打たれて日本シリーズ出場を逸した。
平野佳は40セーブを挙げ、昨年のパ・リーグのセーブ王である。しかし、その投球内容は防御率3.43でセーブ5傑のなかで格段に悪かった。
40S 平野佳(オリックス)3.43
37S
サファテ(ソフトバンク)1.05
31S 西野(ロッテ)1.86
29S 高橋(西武)2.01
25S 増井(日本ハム)2.48
セーブを挙げるには1点差を確実に守り切れる投手でなければならない。防御率1点台のサファテ(ソフトバンク)や西野(ロッテ)はまさにうってつけの投手だが、3.43の平野佳では絶対の保証はない。13年と14年で奪三振率の点では、それほど大差はない。
左が防御率、右が奪三振率 ▽13年 1.87 10.20
▽14年 3.43 10.44
ではなぜ苦しんだのか。それは・・・
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