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原監督は9月が勝負やと腹をくくっているようやな。そのときにチャンスが巡ってくると判断している感じや

 

勝負の時期はどこ?
8、9月に決まっとるやん!


 阪神の監督時代(2004年〜08年)に、よく番記者に問われた。「長いシーズン、勝負の時期はいつと考えているのか?」と。そんなん、答えは決まってるやん。

「8月、9月!ここに決まってるわ」と、オレは常にそう返事してきたわ。

 特に9月、ここを制するものが、リーグを制する。それくらい重要な時期なのだが、もちろん勝負するには、そこまである程度の位置につけておかねばならない。それは勝率でいうと5割。このラインをキープしておけば、必ずチャンスがくる。オレはそういう星勘定でシーズンを進めていた。優勝した05年は9月をうまく乗り切ったからで、逆に大逆転を食らった08年は9月に勢いが出ず、猛烈にまくってきた巨人が、9月に驚異的な成績を残した。この差で逆転されたわけよ。だから7月、8月をいい位置で通過し、そこから本当の勝負。ここで優劣がはっきりするわけよね。

 ということで今年のセ・リーグの話題に移ります。史上空前の大混戦は、まったく変わらぬ様相で推移している。抜け出すチームもなければ、落ちていくチームもない。中日が脱落しかけたけど、そこでグッと踏ん張っている。1位から最下位まで5ゲーム差くらいで、競い合っている状態。オレはまだまだ、この状態は続くと見ているよ。

 どうして、こんな混戦になったのか?何度も書いてきたけど、交流戦の爪痕がはっきりと残っている。パ・リーグにコテンパンにやられ、セ6球団が同じ傷を負った。ここで躍進したチームがあったなら、リーグで飛び出していただろうが、阪神が唯一、勝ち越し2で上位に食らいついた。だけど、飛び出すまでにはいかなかった。

 もうひとつの理由は、巨人の戦い方にあると思うわな。本当なら巨人がグンと出ても不思議でないのに、本当にモタモタしている。5割を行ったり来たりしている状態よ。ここで抜け出せれば、一気に突っ走ることは可能なのに、今年の巨人はそれができない。そのことが、いまの乱セを作っている。オレはそう考えているんよな。

混戦を招いたのは巨人がもたもたしているから。だが原監督は9月が勝負と踏んでいるようや。それまでにどこか抜け出さないと……



 振り返ってみれば、この「そらそうよ」で開幕直前、順位予想をしたけど、オレは巨人をBクラス4位にした。結構、無謀な予想に映っただろうけど、オレは巨人がBクラスに落ちる危険性を感じていたわ。オープン戦の試合運び、中身を分析して、勝ち切る決め手に欠ける……とジャッジしたわけよ。特に・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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