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陽川尚将

阪神・陽川尚将「結果を出します」

 

昨年オフ、1年間のプロ生活で力をつけた男が飛躍をしようとしていた。東農大から入団した陽川尚将だ。一軍大砲クラスの打球を打てるようになったのだ。しかし、一軍キャンプに抜てき中に左肩亜脱臼で離脱し、出直しとなってしまった。そのケガも癒えた6月中旬。ここから新しい陽川物語がスタートした。
文=中野雄太(デイリースポーツ)



掛布雅之DCが感じる手応え


 左肩の亜脱臼から4カ月半、陽川は徐々に輝きを取り戻している。「投手に対応できてきたり、試合もだんだん慣れてきたような気がします」。6月25日のソフトバンク三軍との練習試合(鳴尾浜)では、復帰後初本塁打を記録。二軍で結果を残し、三塁の定位置奪取へ。背番号55の戦いが、再び熱を帯び始めている。

 大器の片りんを見せつけたのは、昨年の一軍秋季キャンプ。和田豊監督らが見守る中、紅白戦で豪快な本塁打を披露。平田勝男ヘッドコーチも「見事」とうなる一撃で、キャンプMVPを獲得し、今春の一軍キャンプ行きを勝ち取った。

 しかし、2月13日のサムスンとの練習試合で悲劇は起こる。一塁線の打球に飛び込んだ際に左肩を亜脱臼。復帰は6月中旬と診断された。固定具で患部をガチガチに固め、そのまま二軍キャンプ地へ。

「やってしまったことはしょうがない。一日も早く復帰するためにできることをやっていきたいです」と悔しい気持ちを押し殺し、リハビリを開始した。東農大4年時も同個所を脱臼していることから、より慎重に進めていった。「3回目をやってしまったら本当にクセになってしまう」。固定具を外したのは約1カ月後。「準備して、試合で結果を残せるようにしたい」と気持ちは切れない。桜が満開になるころには、グラウンドで汗を流す陽川の姿が多く見られるようになった。

 体が動くようになってから、主に取り組んだのは・・・

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