即戦力の期待を背負い入団したものの左肩違和感のために二軍でプロ生活をスタートしたルーキーが、本来の姿を取り戻し、躍動しつつある。現在、首位を争うチームは、先発サウスポー不足に悩んでいる。その枠に食い込むべく、ドラフト2位左腕が静かに燃える 中畑監督が「秘密兵器になるかも」と評した逸材
深刻な左腕のスターター不足に苦しむ
DeNAにとって、
石田健大は救世主的存在だった。昨年、チームで一軍の先発マウンドを踏んだのは
高橋尚成と
陳冠宇(現
ロッテ)の2人だけ。しかも、それぞれ10試合、1試合に登板し、ともに勝ち星なしという惨状だった。150キロに迫る快速球とカーブ、スライダー、チェンジアップを操るドラフト2位の本格派。当然のように即戦力、開幕先発ローテーション候補として期待を背負った。
法大では2年までに13勝をマークしながら、4年最後のリーグ戦で1勝しかできなかった。不振の要因にもなっていたのが、左肩の違和感だった。「石田は遅れるかもしれないな。期待はしているけど、期待以上に焦る必要はない」。今年1月の新人合同自主トレ。視察した
中畑清監督が少し残念そうにつぶやいた。
合同自主トレでは終盤にようやくブルペン入り。マウンドの傾斜を使い、50球程度のネットスローを行うだけだった。「焦らないように。少しずつ慣らしていって、4月から5月ぐらいまでに良い状態に持っていければ……」。2月のキャンプは
山崎康晃、
倉本寿彦、
福地元春、
山下幸輝と同期入団の4人が一軍スタート。分かりやすい形で出遅れを実感しても、決して下を向くことはなかった。
二軍の嘉手納キャンプ。満足に投げられないぶん、徹底して下半身を鍛えた。「悔しさがないわけではありません。この時間を生かして・・・
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