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2025井上竜が行く!

<指揮官インタビュー>中日・井上一樹監督インタビュー「守るものも失うものもない」

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チームの雰囲気が確実に変わってきているのは、この明るく、朗らかな監督が先頭に立っているからだろう。3年連続最下位からの浮上は容易なことではないが、それでも優勝を目指し、選手を信じ、ひたむきに戦っていく。これまで足りなかったチームの一体感。それが今は、ある。
取材・構成=牧野正 写真=兼村竜介、BBM


下位予想は承知の上


 開幕を直前に控えての監督インタビュー。今季から第35代中日監督として新しいシーズンに挑む指揮官を直撃した。泰然とした雰囲気の中にも、どこか茶目っ気があり、それがチームの明るさにもつながっているのだろう。一方で現実を見つめる厳しい言葉もあった。

──監督、今年もドラゴンズ特集を組むことになりました。

井上 それはうれしいけど、何をそんなに聞くことある? もう別にないよね、すぐに5分で終わらせよう(笑)。

──ただ、まだ開幕前ですが、この本が発売されるころには、10試合ぐらいは終わっているんです。

井上 DeNA巨人ヤクルト、中日……どうなっているのかな。でも(対戦が)一回りしないと落ち着かない部分はあると思うし。

──スラスラと対戦相手が出てくるところは、さすがですね。

井上 そう? そう言えば先日、開幕前の企画でNHKの監督座談会の収録に行ったんだけど、どの監督も凛として見えたんだよね。昨年日本一の三浦(三浦大輔)監督、大型補強に成功した阿部(阿部慎之助)監督、実績のある高津(高津臣吾)監督に、藤川(藤川球児)監督は手応えを感じているようだったし、それは新井(新井貴浩)監督からも伝わってきた。そこは自分も負けないように、あらためて強い気持ちでシーズンに臨まないと、と思ったね。

──錚々(そうそう)たる顔ぶれですね。

井上 不安があるとすれば、自分の中にある人の良さというものが出てしまって、選手に遠慮したり、情が出たり、それが怖くてね。だからどれだけ勝ちに執着できるか。それができれば、あとは選手を信じるだけ。戦えば、勝敗というものは必ず付くんだから。

──キャンプ、オープン戦を通じて、監督も手応えをつかむことができましたか。

井上 手応えを感じた部分もあったけど・・・

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