入団から約半年、木村光は新しいスタートを切った
育成3位ルーキーが一軍デビューの“権利”をつかみ取った。7月17日に球団から、木村光の支配下選手登録が発表。背番号160から「68」へと変わった。「率直にうれしい気持ちです。まだ、はっきりと実感は湧いていないけど、ここから『よし、やっていくぞ!』と思いました」。カメラのフラッシュを浴び、初々しい笑顔を浮かべた。
佛教大出身。入団時の身長は173センチ、体重69キロと、小柄ながら先発としてアピールを続けた。
ソフトバンクの育成は50人を超える大所帯だ。7月末の支配下登録の期限も迫り、チーム内での競争も激化する。
小久保裕紀二軍監督からは「支配下をしっかり見据えてやるように」と声を掛けられた。ウエスタン・リーグは前半戦で15試合に登板し1勝4敗、防御率3.14。「試合をつくれるところが自分のアピールポイント」。安定した投球が評価された。
大学時代の最速148キロから2キロ上がり、150キロの大台にも乗せた。「練習のときに体の使い方を変えたら良くなった。右の股関節に力をためようとし過ぎていたので、それを修正した」。球の質も上がり、フライアウトが増えたという。体重も74キロまで増え、体幹トレーニングにも力を入れてきた成果だ。
支配下が決まり、小久保二軍監督に電話で報告すると、「ここからがスタートだぞ」と激励された。翌18日にはフレッシュオールスターにも出場。「(一軍は)まだ想像はできていないけど、自分のできることをやっていけば近づくと思う」。舞台は一軍デビューをかけた戦いに移った。
写真=湯浅芳昭