
勝負の3年目、球団の熱意に応えることが自身の使命と自負する
球団初の投手のFA補強となった
山崎福也の入団会見後、
新庄剛志監督は笑みを浮かべて言った。「相当(選手層が)厚くなりますよ。俺、やることなくなるんじゃないかな(笑)」。記者に囲まれた指揮官は、オフの順調な戦力補強状況に手応えを感じるコメントを発信した。
それまでに球団は国内FA権を持っていた左腕エース・
加藤貴之の残留交渉を成功させて、流出を阻止。さらに、新外国人選手として前ツインズの159キロ右腕パトリック・マーフィーも獲得していた。冒頭のコメントのように新庄監督らしいジョークを飛ばしたくなるほど、球団フロントの「来年にかける思いは、ものすごく伝わってくる」。その熱意に応えるのが使命だと自負する。
その後もリリーバー候補の162キロ超え右腕、前タイガースのアニュラス・ザバラや俊足外野手の前ツインズのアンドリュー・スティーブンソンも獲得と着々と補強は進んでいる。そして、この2年間で底上げしてきた現有戦力と融合させ、勝てる集団にできるか――。新庄監督は自身にも変化の必要性も感じている。
「僕のね、監督として向いてないところは“甘さ”。ベンチで一生懸命に声を出したり、一生懸命に練習している選手を使って年俸を上げさせたいって。そういうところをめっちゃ考える。それがもう監督に向いていない。でも来年はね、そういうところを考えないように戦っていかないと。そんなにね、甘くないし」
新庄監督は今オフ、てっぺんに立つためのチームマネジメントを頭の中で巡らせているはずだ。
写真=BBM