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DeNA・戸柱恭孝 すべてはチームのために「何でもできるようにしておく」/生え抜きの輝き

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 誰よりも気持ちの切り替えは早かった。「日本一で終われたことは本当に良かったですけど、シーズンは3位なので。この事実は忘れてはいけないと思っています」。CS、日本シリーズで大車輪の活躍を見せ、自身の存在価値を証明したのが戸柱恭孝。節目となるプロ10年目も「チームのために、できることを全力でやる」と黙々と準備している。

 昨年は9月に正捕手の山本祐大が死球による骨折で戦線離脱。1学年上の伊藤光らと出番を分け合いながら、投手陣を支えた。「年齢に関係なく、野球人として成長できると思えた」と胸を張ったのが阪神巨人を連破し、MVPに輝いたCS。ベテランの勢いと経験は、ソフトバンクとの頂上決戦でも生きた。ここ数年、変わらず設定しているテーマは「準備」。1月の自主トレから、相当な練習量で追い込んできた。

 午前8時にウェートトレーニングからスタート。「上がるか上がらないか、ギリギリの重量を」とうめき声が室内に響き渡る。同行を志願している高卒3年目の松尾汐恩には「目配り、気配り、集中力。捕手として細かいところを見なさい」と助言。午前は徹底した振り込み、午後の守備練習を終えると、夕方になるのが日常だった。昨年11月の断食で6kg減らした体重も、筋量のみ4kg増えて98kg。自主トレ中には緊急時に備えたファーストミットも届き「スタメンでも途中からでも、代打でも、何でもできるようにしておく」と気合十分だ。生え抜きの野手では最年長の宮崎敏郎(36歳)に次ぐ34歳。覚悟が違う。

写真=井田伸輔

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