
現役ドラフトで移籍した日本ハムで結果を残し続けている
誰がここまでの「覚醒」を予想していただろうか。
吉田賢吾が開幕からインパクトのある結果を出し続けている。4月2日の
ソフトバンク戦(エスコンF)でプロ初本塁打を放つと、同4日
オリックス戦(同)で2試合連続本塁打。同15日
ロッテ戦(ZOZOマリン)では代打で満塁の走者一掃の適時三塁打。同20日のオリックス戦(京セラドーム)では決勝打。「与えられたチャンスを1打席1打席モノにしていくってことだけ。とにかく打つほうでアピールして、自分の位置を、自分の手でつかみ取りたい」と新天地での存在感を増している。
新庄剛志監督もうならせたのは、ロッテ戦での一打だった。代打起用されたのは6回一死満塁の場面。指揮官は試合後に「吉田君に聞いたら(相手投手は)満塁でデッドボールが一番嫌だから外の真っすぐ1本に張った、と言っていた」と明かした。確かな状況整理とバッテリー心理の推察から、内角は攻めてこないと割り切って踏み込み、外角球を捉えた打撃内容を絶賛。「そういうところも、キャッチャーなので引き出しがある」と感心したように、吉田の本職は捕手。鋭い洞察眼が、持ち前の打力を底上げさせている。23日の
楽天戦(エスコンF)にはプロ初のスタメンマスクをかぶり、またも逆方向の右翼へ第3号弾を放った。
春季キャンプでは一軍スタートも実戦で結果を残せず二軍落ちしたが、3月のオープン戦で打ちまくって開幕一軍に滑り込んだ。そしてバットで結果を残し続けて、一軍の中で自分の位置を確保しつつある。昨オフに現役ドラフトでソフトバンクから加入した。昨季までは巨大戦力の中で埋もれていた逸材がストロングポイントを前面に出し、新天地1年目のスタートダッシュに成功した。
写真=BBM