慶應義塾高のメンバーを接する中で

慶大に進学する星稜高出身の服部は、攻守走バランスが良い[写真=田中慎一郎]
慶大に進学する新1年生(2月入部組)が2月9日、神奈川県横浜市内の下田グラウンドで報道各社の取材に応じた。
星稜高で主将を務めた服部翔は、FIT入試で法学部政治学科に合格した。
「東京六大学でプレーしたい。文武両道を実践するため、慶應を志望しました」。昨夏の甲子園大会期間中も、宿舎でFIT入試へ向けた対策、準備を進めていたという。
1月1日。金沢市に隣接する津幡町出身の服部は、震度5強の能登半島地震に遭った。
「断水と部屋の物が散乱した程度で済みましたが、被災地域に住んでいた友達とも連絡を取り合いました。上京する前には周囲から『頑張ってこいよ!』と激励を受けました」
2月4日に入寮し、翌5日から練習に参加している。昨夏の甲子園で107年ぶり2度目の全国制覇を遂げた慶應義塾高のメンバーと接する中で、気づきがあったという。
「夏の甲子園開会式でも直接、関わることはありませんでした。自分のイメージですが『ずっと真面目なのかな?』と思い込んでいましたが、普通の高校生だったんです。皆、気さくに声をかけてくれ、気が合うメンバーばかり。寮でも、楽しく過ごしています」
服部が守る二塁手には、慶應義塾高で主将を担った大村昊澄がいる。
「甲子園優勝のセカンド、しかもキャプテン。プレーの声、まとめ方を含めて、学ぶことがたくさんあると思いますが、引いてしまったらダメ。持ち味である守備力を生かし、全体のレベルを上げていきたい。1年春からベンチ入りし、4年間あるので、1年ずつ成長し、3、4年には主軸で活躍したい」
主将経験者2人。しっかり者の服部と大村が切磋琢磨し、学年を活気づけていきそうだ。
文=岡本朋祐