毎試合ブルペンに待機して、チームを勝利に導く“仕事人”リリーフ投手。プロ野球創成期から2000年代まで、歴代の名リリーバーたちを紹介する。 60年代に現れた8時半と8時10分の男
プロ野球創成期は、リードした場面で投入される、リリーフ専門の投手はほとんどいなかった。ただ、
スタルヒン(
巨人ほか)や
稲尾和久(西鉄)などの絶対的なエースが、先発で起用されない試合でもベンチに待機して、ロングリリーフを任されるケースは多かった。
1960年代に入り、リリーフ投手の概念が変わり始める。巨人に「8時半の男」こと
宮田征典が登場したのは、大きな転機だった。65年当時の巨人投手陣は後半に打たれて逆転負けする試合が多く、
川上哲治監督は最後まで逃げ切るためにフレッシュな投手を登板させる策を思いついた。そこで、心臓の欠陥により長いイニングを投げられないが、短いイニングならキレ味鋭い球を投げられる宮田に目をつけた。リリーフ専門で起用するとチームは連勝街道に乗り、1カ月ほどで4位から一気にトップへ上り詰めた。

▲実働8年と活躍した期間は短かったが、65年には69試合に登板して20勝(リリーフで19勝)をマークした宮田征典
同じころ、
中日の権藤貞雄監督は・・・
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