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虎最強のブルペンを担う男たち

阪神・マテオ×ドリス スペシャル対談 監督を胴上げだ!

 

12球団No.1と言われるリリーフ陣を持つ阪神。その中心的存在が「マテドリ」こと、セットアッパーのマテオとクローザーのドリスだ。2人ともタイトルを獲得する大活躍で2位躍進の立役者に。今回は2人に今年に掛ける意気込みを語り合ってもらった。
取材・構成=椎屋博幸、写真=小山真司、早浪章弘、通訳=栗山正貴


チームが勝つことが一番


──2人ともに日本でのプレーが3年目を迎えます。もう日本の野球環境や文化にも慣れたのではないですか。

ドリス 1年目は分からないことばかりで、大変だったけど、徐々に慣れてきて日本語も少し分かったり、話せたりできるようになってきたから、楽しいよ。慣れたからこそ余裕もできているよ。

マテオ 僕もそれは一緒だ。今はすごく慣れてきて、毎日が楽しいね。アメリカにいたときはラテン系の選手が多くいたから、自分が外国人選手だという意識はなかった。日本では完全に外国人。だから同じチームに同郷の選手がいるのは頼もしかったよ。今では日本人選手ともどんどん仲良くなっていっているから本当に楽しい。ドリスに関しては昔から知っている間柄だったから、このチームに来て縁を感じているよ。

ドリス 2008年のときだよね、最初に会ったのは。カブスでチームメートになったんだよ。ドミニカ共和国のウインター・リーグでもチームメートだったしね。長い付き合いになっているよな。

マテオ ここまできたら、タイガースの後に行くチームまで一緒になってしまうかもな(笑)。

ドリス でもタイガースが一番いいから、よそには行きたくないよ。タイガースといってもメジャーでも、ドミニカでもないよ。阪神だよ。

マテオ ドミニカには、ティグレスってチームがあるんだけど、日本語に訳すと、英語と同じ「タイガース」なんだよ。

ドリス そう、英語は「タイガー」でスペイン語が「ティグレス」だ。でも僕は日本のタイガースが良い。

──ところで、お互いには何と呼び合っていますか。

ドリス 基本は、マテオだけどね。たまに「トロ(闘牛)」と呼んでいた時期もあったね。

マテオ 僕は「ブーロ(ロバ)」と呼んでいたね。どっちも動物の名前だ。

ドリス 本当に、時々冗談で「ロコ・マテオ」って言うね。日本語だと“バカ・マテオ”ね。「コイツはバカだなあ!」という行動を取るときがあるからね。

マテオ ドリスはメチャクチャしゃべる。口が4つくらいある感じだから、勝手に言わせているんだよ「ロコ・マテオ」ってね。

ドリス マテオは黙っているときはまったく話さないけど、いったん話に火がつくと止まらなくなってしまう。

マテオ 今はインタビュー中だから、おとなしくしているけどね。実際に本当に話に火がついたら、ドリスに「やかましい」と言われるくらい話してしまうね。

ドリス ハッハッハッ、そうだよな。でも、僕の口数にはマテオはかなわないよな。でも、僕もおとなしいときは、本当におとなしいんだ。

マテオ 昔からよく知っている仲だからこそ、いろいろな話ができる。それが日本で居心地がいい要因でもあるんだ。

3年目となり阪神にも愛着があるというドリス[98]とマテオ[38]。08年のカブス時代からチームメートで仲がよく、阪神でもお互いに助け合いながら活躍を見せている


ドリス 試合後の車の中で、こっちが疲れて寝ようかなと思うと、マテオが興奮していてめちゃくちゃ話し始めて止まらないこともよくある。“メッチャ、シャベル!”(笑)。

マテオ しゃべるのは、リラックスできている証拠だと思うけどね。勝つとそういう雰囲気になるんだよ。だから、やはりチームが勝たないと。自分がいくらいいピッチングしても、チームが負けたら、うれしさは半減だね。チームが勝たないと楽しくないよ。

ドリス それは同感だ。自分がいくらいいピッチングができたからと言って、チームが負けてしまっては意味がないよ。その感覚は昔から体に染みついているから、自然と言葉数は少なくなるね。

マテオ 一方で、自分のピッチングがあまり良くなかったときでも、チームが勝ってくれると、やはり口数は増えていくもんだね。

ドリス すごくいいピッチングをして、チームが勝ったときは……僕は“チョット、シャベル!”

マテオ ハハハハハッ(笑)。

ドリス 周りにその試合で良くない成績に終わってしまった選手もいるかもしれないから、気を使って少ししか話さない。でも、ラテン系の選手ばかりになったとたんに“メッチャ、シャベル!”

マテオ 試合が始まる段階ではリラックスしていて、周りと話をして、投げる直前にギュっと集中するから登板直前は意外に話さないよ。

ドリス 僕の場合は、先発が降板するまではしゃべっているけど、降板した瞬間から、僕の仕事が始まると思っている。だからすぐに気持ちを切り替える。2年目の去年は相手打者のこともよく分かって、傾向を見直し、試合の流れから自分と対戦しそうな打者が誰かを予想しながら待っている感じだよ。

準備ができたからいい結果に


──2年目で相手打者のことも分かった中での2人同時のタイトル獲得でした。いいシーズンになったと思います。

マテオ 1年目と2年目では気持ちの持ち方が違った。相手打者の得意、不得意ゾーンを理解して投げるか、投げないかの違いは大きかったよ。しっかりした準備ができたからこそ、いい結果が出たと思っている。

高速スライダーを武器にセットアッパーとしてチームの2位躍進に大いに貢献したマテオ


ドリス マテオの言うとおりで、2年目はそれが自分の心の余裕にもなったからこそ、いい成績、タイトルが獲れたんだ。2年目でよりいっそうチームに溶け込めたことも大きかったと思っているんだよね。チームメートのほかにトレーナーや周りのスタッフともいいコミュニケーションができていると思うから。

マテオ まあ、60試合以上で登板できたことは大きな自信にはなった。今年はどうかな? 神のみぞ知るという感じだけど、去年投げられたから、それ以上は投げたいという気持ちは持っているよ。

ドリス もちろん簡単な数字じゃなかったよね。でも、周りのサポートのおかげで達成できた部分が非常に大きかった。みんなに感謝したいし、今年もその気持ちをしっかりと持って投げていきたいと思っているよ。

昨年セーブ王に輝いたドリス。2年目で打者の傾向などが分かったことで成績を残せた


藤川球児のサポートに感謝


──中継ぎ陣の中には、ベテランでメジャー経験もある藤川球児投手がいます。言葉を交わし、冗談を言いあっている姿をよく見ます。

マテオ ほかのチームメートも素晴らしいけど、フジはアメリカでも一緒だったし、僕らのことを気にかけてくれる。人格者だし、助けてもらうことが非常に多いね。今年はモレノも入団したことで、僕ら2人が助けないといけないけど、フジも同じように彼をサポートしてくれている。それは僕らにとっても非常に大きいこと。本当に大きな存在だよ。

ドリス フジと最初に会ったときはアメリカだった。どのメジャーのレベルだったかは覚えていないけどね。そのときに僕は日本に興味があったから、日本で投げられる機会が作れるか聞いたんだ。そうしたら「君はいい球を投げるし、力強いボールだから日本でチャンスをつかめるよ」と言ってもらった。それで日本に行きたいと思った。

マテオ へえ、そうなんだ。

ドリス フジも日本に帰ったという話を聞いた中で、僕はタイガースに入団が決まった。そして日本に来てみたらフジが同じチームだったんだ。“まさか”だったけど、うれしかったね。今もグラウンド内外で助けてもらっているよ。人間として尊敬できる人。あとは、年齢の上下関係が日本にはあるから、フジにもそうしようと思ったんだけど「しなくていいよ。仲良くしよう」と言ってもらったのもすごく記憶に残っているんだ。フジのおかげで、一つになれているからこそ、僕らはチームに貢献できていると感じているんだ。

マテオ まさにそのとおりだよ。その中で、今年は特に優勝のチャンスがある。チームの状態もいい感じだ。

チームメートとも仲良くしながら、新加入のモレノ[背番号48]のサポートを行う3年目のマテオとドリス


ドリス 1年目からタイガースはチーム力の整ったチームだとは思っていたんだ。昨年も優勝できると思っていた。でも冷静に振り返ると広島DeNAとは大きな打球を打てるバッターの差があったのかな、と。そこに今年は信頼できるロサリオが入ってきた。僕は昔から彼のことを知っているから、彼の打撃には期待しているし、このチームに足りなかった最後のピースが埋まったと思って期待しているよ。あとは僕らが去年以上の仕事ができれば優勝はできると、確信している。

マテオ それは、同感。僕は(金本知憲)監督が終盤で使いたいと思ったところで、投げてチームの勝利に貢献したいとしか思っていないからね。だからクローザーになりたいとかは思ったことはないな。

ドリス さっきも言ったけど、まずはチームが勝つことが一番。だからどこで投げたいとか、アイツに勝ちたい、ということは重要なことではないと思っているんだ。言われたポジションで投げていくだけだね。

マテオ 今年のチームに期待して、自分にも期待したいね。

ドリス 打者は一番から八番まで、しっかり仕事ができれば、すごい打線になるチームだと思っているんだ。あとは偉大な成績を現役時代に残した監督のためにも活躍して優勝したい。僕たちを信用してくれて、ずっと使ってくれているからね。その信用に応えたいね。

マテオ ほんと、ほんと、そのとおりだね。頑張るよ。


PROFILE
マルコス・マテオ●1984年4月18日生まれ。ドミニカ共和国出身。188cm107kg。右投右打。サンタアナ高卒業後2005年レッズとアマチュアFAで契約。07年にカブスへトレード。10年にメジャー・デビュー。10年、11年と20試合以上に登板した。14年にはルールファイブドラフトでダイヤモンドバックスへ一度移籍したが、すぐにカブス復帰。15年はパドレスへ移籍した。16年は阪神と契約しクロザーとして20セーブを挙げたが17年はセットアッパーとして43HPで最優秀中継ぎに輝いた。

ラファエル・ドリス●1988年1月10日生まれ。ドミニカ共和国出身。195cm109kg。右投右打。ディビナプロビデンシア高校卒業後、2004年にアマチュアFAとしてカブスと契約。11年にメジャー・デビューを果たした。12年にメジャー初勝利を挙げたが、その後はジャイアンツ、タイガースのマイナーにとどまり、16年に阪神に入団。1年目終了後にヒジの手術を受けたため自由契約に。その後17年1月に再契約し、開幕からクローザーとして活躍。37セーブを挙げ最多セーブ投手を獲得した。


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